平成15年6月定例会の概要(6月27日(金)-7月10日(木)会期:14日間)
公開日 2014年03月26日
INDEX
1 日 程 | ・定例会日程 |
2 知事提案説明 | ・知事提案説明要旨 |
3 議 案 | ・本会議審議の結果 |
1 日程
6月27日(金)-7月10日(木)(会期:14日間)
第272回高知県議会(6月)定例会日程
月 | 日 | 曜 | 会 議 | 行 事 |
6 | 27 | 金 | 本会議 | 開会、議案上程、知事説明ほか |
28 | 土 | 休 会 | 休日 | |
29 | 日 | 〃 | 休日 | |
30 | 月 | 〃 | 議案精査 | |
7 | 1 | 火 | 〃 | 議案精査 |
2 | 水 | 本会議 | 質疑並びに一般質問 | |
3 | 木 | 〃 | 質疑並びに一般質問 | |
4 | 金 | 〃 | 質疑並びに一般質問 | |
5 | 土 | 休 会 | 休日 | |
6 | 日 | 〃 | 休日 | |
7 | 月 | 本会議 | 常任委員会 | |
8 | 火 | 〃 | 常任委員会 | |
9 | 水 | 〃 | 常任委員会 | |
7 | 10 | 木 | 〃 | 委員長報告、採決、閉会 |
2 知事提案説明
●知事提案説明要旨(平成15年6月27日)
本日、議員の皆様のご出席をいただき、平成15年6月県議会定例会が開かれますことを厚くお礼申し上げます。
4月から、地域を支援する機能の強化などを目的に、県庁の新しい組織をスタートさせました。
まだ、3カ月しか経っていませんが、県内の七つのブロックで地域の様々な活動を応援します「地域の元気応援団長」が住民の方々と連携をした地域づくりの 活動を始めていますし、地産地消の面では、県のホームページを使った直販所の紹介や、民間の方々とのネットワークの立ち上げに向けた取り組みが始まってい ます。
今後とも、県民の皆様と向き合いながら、人と知恵を生かした仕事を進めますことで、組織の見直しの成果を発揮できますよう努めていきます。
現在、国では、補助金や地方交付税、さらには国から地方への税源の移譲を、三位一体で改革する方針の取りまとめが最終的な段階を迎えています。
ここに至りますまでには、地方分権改革推進会議で、税源移譲の先送りや現実を無視した地方交付税の見直し案が提示されますなど、地方の立場からはとても受 け入れられないような状況もありました。このため、議会の皆様の活動と合わせて、私自身も全国の有志の知事と協力して、アピールの表明などに機会あるごと に取り組んできました。
こうした結果、総理大臣からは税源の移譲の際には、基幹的な税目をその対象にすることや、義務的な事業の補助金を見直す際には、所要の全額を移譲することなど、地方の声をある程度受け入れた形の指示が出されました。
しかし、国の財政当局などからは早くもこれを骨抜きにしようといった動きが出てきていますので、この改革が地方の自主性を強化するという、本来の趣旨に沿ったものになりますよう、今後とも現場の声を届けていかなければなりません。
とは言いましても、国と地方が抱える巨額の借金を考えますと、全体として、地方財政の規模の縮小は避けられませんし、なかでも、これまで財源面で国に依存してこざるを得なかった本県にとりましては、さらに厳しい状況が想定されます。
こうした流れを正面から受け止めますとき、新たな条件の下でも、行財政が持続的に運営できますよう、さらに質的な転換を図らなければなりません。
それに加えて、県民の皆様が希望と愛着を持って暮らしていける県づくりに向けた政策の方向を明らかにしていく必要があります。
このため、県民と向き合う県政とはいかにあるべきか、また、県の責任と役割は何か、さらには自立に向けた高知らしい取り組みはどうあるべきか、といった 観点から、これまでの政策を根本的に見直して、再構築していくための庁内作業を始めることにしました。
具体的には、この夏に予定しています各部局との政策協議などを通じまして、来年度の予算編成の作業も視野に入れながら、四つの重要課題をはじめとした政策の骨格づくりを進めていきます。
県が行いました融資をめぐる一連の問題をきっかけに、外部からの働きかけにどう対応すべきかの議論を重ねてきました。その中から、県に対する不当な圧力 といった問題とは別に、そもそも県の組織内での報告、連絡、相談などが徹底されていなかったり、意思形成の過程での情報公開が不十分だったことなど、自分 たちの仕事の進め方や職員の意識そのものにも問題があったのではないかといった反省の声が出てきました。
こうしたことから、県が受けた要望や提案を含みます働きかけを記録に残して、その情報を共有することで、組織としての適切な対応を徹底することにしまし た。あわせて、建設的なものから不当と思われるものまで、県がどのような働きかけを受けたのか、また、それにどのように対応したのかを県民の皆様に公表す ることによりまして、透明でより開かれた県政を目指していきたいと思います。
このほど、県民の方からのご指摘をきっかけに、開示請求の対象となった公文書の取り扱いが適切だったかどうかを、あらためて調査しました。その結果、開示すべき公文書の特定などが適切に行われていなかった事例が数多く見つかりました。
これまでも繰り返し申し上げてきましたように、情報公開の制度は、公正で開かれた県政を進めるうえで支えとなるものです。にもかかわらず、その制度の運 用がいまだに徹底されていなかったことは、正にこの制度の根幹にかかわる大きな問題で、これでは制度が形骸化しかねないとの強い危機感を覚えています。
このため、この夏以降に実施します研修の充実を通じまして、職員一人ひとりが情報公開を自らの仕事として積極的に取り組みますよう、意識改革を進めてい きます。あわせまして、県民の皆様からの開示請求を待つまでもなく、それぞれの所属が担当します様々な情報を県民室やインターネットなどで積極的に公表し ますための新たな仕組みづくりを、現在、全庁を挙げて進めています。
こうした取り組みを今後も粘り強く進めますことで、信頼の回復を目指していきます。
新型肺炎いわゆるSARS は、幸いこれまで国内での患者の発生はありませんが、国際的な人の行き来が日常化している現在では、いつ本県にこの感染症が侵入するかわからない状況です。
こうしたことから、県では、万一、国内そして本県で患者が発生したときにその感染の拡大を防止しますため、患者を受け入れる医療機関の確保や、県民の皆様に対します情報の提供、さらには医師会など関係機関との連携と協力の体制を整えてきました。
また、今月初めには、患者を移送する際に二次感染を防止するための機器や、保健所の活動に必要な防護服などを購入するため、予算の専決処分を行いました が、今後とも、空港や港で患者が発見された場合など、様々な場面を想定した対策を充実していきます。
高知医療センターに関しましては、この4月から設置しました県と高知市、それに病院組合の3者の協議会で、現在の県立中央病院と高知市立市民病院を平成 16年度からは病院組合の病院として運営することを決定しました。あわせまして、17年3月の開院に向けて、医局などの組織や体制づくりを進めています。
先ごろ、室戸海洋深層水を利用しています民間企業が自主的に行いました水質検査の結果、水銀に関する誤ったデータが公表されましたことから、関連の企業に大きなダメージを与えるという問題が起きました。
ただ、その後、検査を行った会社が自らの検査に誤りがあったことを認めましたし、県が独自に実施しました検査の結果でも、あらためて室戸海洋深層水の安全性と清浄性が確認されました。
今後は、今回の誤報に基づくダメージの回復に向けまして、安全性のPRを含めた販売の促進に努めますとともに、一連の経過を教訓に、情報の公表のタイミングなども含めまして、全庁的な危機管理の体制を充実させていきます。
一方、今月初め、厚生労働省から、キンメダイなど魚介類に含まれます水銀に関する注意事項が公表されましたが、そもそも妊娠された女性からの胎児への影 響を防止するための、予防的な注意の呼びかけであったにもかかわらず、一般の消費者の不安と買い控えを招きましたため、産地の価格にも大きな影響が出てい ます。
キンメダイは、県の東部の沿岸漁業にとって重要な魚種ですので、日常、ご家庭で食べていただくことには、何の問題もないことを理解していただくことが大 切です。このため、先日県独自の検査結果も公表しましたが、今後は、県漁連や地元の漁協とも連携して、正確な理解と消費拡大のための取り組みを行っていき ます。
企業誘致の面では、昨年の産業振興プロジェクトチームの議論をもとにしました思い切った支援策の成果が手応えとして表れてきています。
まず、須崎市では、昨年の松下寿電子工業の撤退以来、跡地の利用が大きな課題になっていましたが、このたび、太陽電池の材料であるシリコンウエハーなど を製造しますエム・セテック株式会社がこの土地に進出され、主力工場の一つとして整備していただくことになりました。
太陽光発電は、環境に負荷をかけないクリーンなエネルギーですので、資源循環型社会の先進地域を目指します本県の目標にも合ったものです。また、太陽電 池の生産コストの低下などによりまして、今後、急速な普及が見込まれますので、地域経済の活性化にも大きく貢献していただけるものと期待しています。地元 の須崎市との協力はもちろん、高知工科大学などとも連携しながら、早期に操業ができますよう十分なバックアップをしていきます。
また、「なんごく流通団地」には、分譲を促進するために導入しました新しい補助制度の成果としまして、四国名鉄運輸株式会社の立地が決まりました。現在、10月の操業に向けて建物の建設が進んでいます。
あわせて「高知みなみ流通団地」にも、液晶の製造装置を製作します株式会社ガソニックスの高知工場がまもなく完成します。既に神奈川県の本社にも本県の出 身者を採用していただきましたし、操業が本格化した後には、県内企業への発注も予定されています。
さらに、海洋深層水から塩やミネラルを製造します株式会社ウトコリミテッドの室戸工場でも、県産材を活用した建物の建設が順調に進んでいます。
8月には操業される予定ですが、室戸海洋深層水の新たなブランド化につながるものと期待しています。
ただ、こうしたことに満足することなく、今後とも、雇用の拡大と地域経済の活性化のため、新たな企業の誘致に全力で取り組んでいきます。
プロ野球キャンプの誘致に関しましては、阪神球団が引き続き来年春も、本県でキャンプを継続していただけることになりました。
ペナントレースでは好調な戦績を挙げておられますので、地元の方々ともより一体となった応援をしながら、再来年以降も本県に来ていただけますよう、様々 な環境づくりに努めていきます。と同時に、春野球場のキャンプへの活用にも、引き続き積極的に取り組んでいきたいと思います。
一方、サッカーのJ リーグのチームの誘致では、観光コンベンション協会と、グランドを管理するスポーツ振興財団など関係の団体との連携が不十分だったため、誘致しましたチームに多大なご迷惑をおかけすることになりました。
このことは、キャンプの誘致を含めました観光振興を、地域の経済への波及効果の観点で特に重視してきました経緯からも、大きな反省点と受け止めていま す。今後はこうしたことがないよう、信頼の回復も含めまして、できるだけの対応を図っていきます。
今年は、ブラジル高知県人会の創立50周年に当たります。この記念の式典に参加しまして、本県に縁のある方々との交流を深めますため、来月23日から県 議会の代表や県民の方々とともにブラジルを訪問しまして、半世紀の歩みを振り返りますとともに、今後の交流に向けた新たな礎を築きたいと思います。
先月30日に韓国の全羅南道の朴泰榮(パクテヨン)知事が来高されました際に、観光や文化の面での交流に関します協定の調印を行いました。今後も中高校 生による相互の文化体験や大学生によるよさこい鳴子踊りなど、若い世代を中心とした交流をさらに深めていきたいと思います。
日高村に計画しています産業廃棄物の処理施設に関しましては、最終処分場を屋根付きにすることや、最終処分場からの排水を施設の外に流さないことなど、 周辺の環境への配慮を最重点に考えました上、管理型の最終処分場を中心とする案から、焼却施設や溶融施設を備えた案まで、現状で考えられる四つの案を検討 しています。
また、日高村から要望書が提出されています振興策に関しましては、将来の村づくりの視点を大切にしながら、県民の皆様にもご理解を頂ける内容になりますよう、村との協議を続けています。
今後は、今議会でのご議論を踏まえまして、早期に計画の全体像を示しますマスタープランの策定と、振興策に対する方向付けを行いました上、10月末に予定されています住民投票に向けまして、地元の方々への説明を行っていきます。
森林を守ることの大切さへの理解を深めていただくため、制定を目指していました「こうち山の日」に関しましては、先月、県民の皆様を広く対象に、アンケートを実施しました結果、1万人を超える方々から貴重なご意見を頂きました。
このたび、その結果を踏まえて、実行委員会からご提言を頂きましたので、毎年11月11日を「こうち山の日」にすることにしました。
今後は、実行委員会での検討を通じまして、山の日の具体的な活動を決めていくことになりますが、多くの県民の方々が参加されることによって、その趣旨が広く浸透する活動となりますよう、取り組んでいきたいと考えています。
香我美町の山北地区で、鎌井谷ダムから農業用水を確保するための事業について、パイプラインの完成後、3年経った現在も使われていないことが先の2月議会で指摘をされました。
このため、関係部局が、香我美町や地元の方々のご協力を得ながら関係者のご理解を頂くように努めてきましたが、その結果、先月末には地元の協議会で、既に水利権が認められている区域での通水にご賛同を頂くことができました。
また、水利権のない区域のための新たな水源の確保のため、現地の状況を十分に踏まえた調査を行うことにしています。
一方、企業の経営者やNPO の活動をされている方など、4人の県民の方々にお願いをした検討会では、このようなことに至った責任を明確にすることのほか、新たな水源の確保に当たって も事業の効果を十分に吟味することなど厳しい意見を頂いています。今後は、こうしたご意見をもとに、これまでの公共事業の進め方を根本から問い直していき たいと考えています。
続きまして、今回提案しました議案をご説明します。
まず、条例議案は、知事、副知事及び出納長の退職手当に関する条例議案など11件です。
その他の議案は、公平委員会の事務の委託を受けることに関する議案など2件です。
報告議案は、平成15年度高知県一般会計補正予算の専決処分報告の1件です。
以上をもちまして、議案に関しましての私からの説明を終わります。
何とぞご審議の上、適切な議決を賜りますようお願い申し上げます。
3 議案
●本会議審議の結果
1 議案関係
事 件 の 番 号 |
件 名 |
議決結果 |
議 決 年 月 日 |
第 1 号 |
知事、副知事及び出納長の退職手当に関する条例議案 |
継続審査 |
15.7.10 |
第 2 号 |
高知県健康増進法施行条例議案 |
原案可決 |
〃 |
第 3 号 |
日本郵政公社法施行法等の施行に伴う関係条例の整備に 関する条例議案 |
〃 |
〃 |
第 4 号 |
民間事業者による信書の送達に関する法律等の施行に伴 う関係条例の整備に関する条例議案 |
〃 |
〃 |
第 5 号 |
独立行政法人の設立に伴う関係条例の整備に関する条例 議案 |
〃 |
〃 |
第 6 号 |
高知県税条例の一部を改正する条例議案 |
〃 |
〃 |
第 7 号 |
半島振興対策実施地域における県税の不均一課税に関す る条例の一部を改正する条例議案 |
〃 |
〃 |
第 8 号 |
食品衛生法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係条 例の整備に関する条例議案 |
〃 |
〃 |
第 9 号 |
高知県クリーニング業法施行条例の一部を改正する条例 議案 |
〃 |
〃 |
第 10 号 |
高知県立農業大学校の設置及び管理に関する条例の一部 を改正する条例議案 |
〃 |
〃 |
第 11 号 |
高知県警察手数料徴収条例の一部を改正する条例議案 |
〃 |
〃 |
第 12 号 |
公平委員会の事務の委託を受けることに関する議案 |
〃 |
〃 |
第 13 号 |
県有財産(事務用機器)の取得に関する議案 |
〃 |
〃 |
第 14 号 |
高知県収用委員会の委員の任命についての同意議案 |
同 意 |
〃 |
第 15 号 |
高知県収用委員会の予備委員の任命についての同意議案 |
〃 |
〃 |
報第1号 |
平成15年度高知県一般会計補正予算の専決処分報告 |
承 認 |
〃 |
議発 第 1 号 |
議員を派遣することについて議会の決定を求める議案 |
原案可決 |
15.6.27 |
議発 第 2 号 |
議員を派遣することについて議会の決定を求める議案 |
〃 |
15.7.10 |
議発 第 3 号 |
真の地方分権型社会の構築に向けた三位一体の改革を求める意見書議案 |
〃 |
〃 |
議発 第 4 号 |
米政策改革大綱に基づく新たな水田農業政策の充実を求める意見書議案 |
〃 |
〃 |
議発 第 5 号 |
水産物の関税撤廃に反対する意見書議案 |
〃 |
〃 |
議発 第 6 号 |
郵便投票制度等の改正を求める意見書議案 |
〃 |
〃 |
議発 第 7 号 |
イラク特措法の制定に反対する意見書議案 |
否 決 |
〃 |
議発 第 8 号 |
教育基本法の理念の実現を求める意見書議案 |
〃 |
〃 |
議発 第 9 号 |
県職員の職務倫理確立と県政執行体制の刷新を求める決 議議案 |
原案可決 |
〃 |
2 請願関係
事 件 の 番 号 |
件 名 |
議決結果 |
議 決 年 月 日 |
請第1-1号 |
農山村地域の活性化について |
取 下 げ 承 認 |
15.7.10 |
請第1-2号 |
農山村地域の活性化について |
〃 |
〃 |
請第2号 |
「高知龍馬空港」という愛称の活用支援を求める請願書 |
採 択 |
〃 |
3 可決された意見書
真の地方分権型社会の構築に向けた三位一体の改革を求める意見書
先に発表された経済財政諮問会議で示された「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003」骨太の方針第3弾によると、今後3年間で約4兆円程度の国 庫補助負担金の廃止・削減、地方交付税は総額を抑制し財源保障機能を縮小する一方、税源移譲に当たっては、個別事業の見直し、精査を行い補助金の性格等を 勘案しつつ8割程度を、義務的な事業については徹底的な効率化を図った上でその所要の全額を移譲するとしている。
こうした内容は、地方の自主・自立という、分権型社会の構築に向け具体的な一歩を踏み出し、税源移譲については基幹税の充実を基本とするものの、廃止・縮減の対象とする補助金名が明記されないなど、今後の検討に委ねられている事項もみられる。
国は、平成16年度予算において国庫補助負担金の削減を推進するとしているが、実際に住民サービスを担っている地方公共団体に混乱を生じさせないためにも、早急にその具体的内容を示すべきである。
よって、国におかれては、地方税財政基盤の確立を基本に据えて、地方公共団体の総意である真の分権型社会にふさわしい地方行財政制度の構築を目指した三位一体の改革を着実に推進するため、地方の意見を十分聞き、次の事項について実現されるよう強く要望する。
1 国から地方への税源移譲等により地方税財源の充実、確保を図ること。
2 国庫補助負担金の廃止・縮減による地方への負担転嫁は行わないこと。
3 地方交付税の持つ財源調整機能、財源保障機能を維持するとともに、必要な総額の確保を図ること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成15年7月10日
高知県議会議長 溝 渕 健 夫
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣 様
総務大臣
財務大臣
経済財政政策担当大臣
米政策改革大綱に基づく新たな水田農業政策の充実を求める意見書
米政策改革大綱を踏まえ、平成16年度から需要に即応した売れる米づくりへの転換を図るため、米の生産・流通制度から担い手の経営安定対策等も含めた新たな政策が実施される。
この中で、需給調整方法については、従来の生産調整面積の配分を改め、需要実績に基づく米の生産目標数量の配分へ見直される。
また、生産調整助成制度については、これまでの国による一律的な助成方法を改め、地域の特色を生かした多様な農業を支援するための「産地づくり推進交付 金制度」を創設し、産地づくり目標や担い手育成目標、交付金の活用方法等を示した「地域水田農業ビジョン」の策定・実績が求められている。
こうした状況にあって、担い手や生産条件に恵まれない中山間地域を多く抱える当県においては、地域の特色を生かした売れる米づくりに積極的に取り組んできている。
よって、国におかれては、こうした実情を踏まえ、平成16年度からの新たな米政策の実施に当たり、地域の特性発揮のため、次の事項について格別の配慮をされるよう強く要望する。
1 多様な形態の稲作農家育成と後継者確保の観点から、意欲ある担い手が、 将来展望を持ち得るため、経営の安定に主眼をおいた売れる米作りを行う組 織であれば、大規模な土地利用集積の行える経営体に限定せず、担い手対策 の対象とすること。
2 実効性のある需給調整システムとするため、産地づくり推進交付金の十分 な予算措置を講じるとともに、米の消費拡大のため、地産地消の取組などで、 地域 内農産物を地元の学校給食・旅館・加工業者等へ供給する場合には、農 業者への奨励金の交付を検討すること。
3 地域水田農業ビジョン作りや新たな米の需給調整システムへの円滑な移行 を図るため、市町村及び関係団体等への支援措置を講じること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成15年7月10日
高知県議会議長 溝 渕 健 夫
衆議院議長
参議院議長 様
内閣総理大臣
農林水産大臣
我が国の水産業は、累次に及ぶ輸入水産物の関税率引き下げという自由化を受け入れてきた結果、国内市場には国内生産に匹敵する大量の水産物が流入し、魚価の著しい低迷を招いている。
さらに、漁業経営は、漁業者及び関係者の懸命の努力にもかかわらず、コスト割れによる減船、廃業等極めて厳しい状況にも追い込まれている。
このような状況下、WTO非農産品市場アクセス交渉において発表されたジェラール議長のモダリティ要素案は、ドーハ閣僚宣言の趣旨「持続可能な開発の重 要性」を無視し、水産物を関税撤廃の対象と位置づけているが、これは水産物貿易の完全自由化を意図するものであり、我が国に対して、さらに重荷を押しつ け、我が国の水産業の崩壊をもたらすものと強い危惧と怒りを覚えるものである。
よって、国におかれては、我が国の水産業を守るため、次の事項についてその実現を強く要望する。
1 水産物の関税撤廃に断固反対し、関税撤廃の分野から除外すること。
2 WTO水産物交渉のモダリティが、水産資源の持続的利用と各国の水産 業や漁村の存続を脅かすことのないよう、日本提案の実現について、最大 限の外交努力を行うこと。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成15年7月10日
高知県議会議長 溝 渕 健 夫
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣 様
農林水産大臣
水産庁長官
平成14年11月28日、在宅療養中のALS(筋萎縮性側索硬化症)患者が「郵便投票において代筆が認められない現行の選挙制度は法の下の平等に反する」 として国家賠償等を求めていた訴訟の判決が東京地裁で下された。判決は原告の訴えを退けたものの、その傍論の中で「原告等が選挙権を行使できる投票制度が 無かったことは憲法違反と言わざるを得ない」と指摘した。
また平成15年2月10日、対人恐怖症で投票所に行けない知的障害者の男性が「郵便投票制度を重度身体障害者に限った選挙制度は憲法違反である」とし て、国家賠償等を求めた訴訟においても、大阪地裁により判決が下され、原告の訴えは退けられたが、判決の傍論において「現行制度は憲法の趣旨に照らして完 全ではなく、在宅投票の対象拡大などの方向で改善が図られてしかるべきものである」と行政府の制度改善の努力が求められたところである。
これらの判決に関し福田官房長官も「投票困難な方々の投票機会を確保することは重要な課題と認識している」と発言している。
我が国の郵便投票制度は、障害のある方や難病の方々、また寝たきりの高齢者やALS患者などで投票所へ行くことさえ困難な方々にとって、権利行使への手 続きが煩雑である上、制度上の不備から投票権の行使が困難な状況にある。従って、早急に制度上の不備を改善し、こうした方々の政治参加機会の確保を図るべ きである。それは民主主義の観点からも重要である。
よって、投票権の行使の障壁が一刻も早く取り除かれるよう、次の事項について法整備を含め所要の措置を早急に講じることを強く求める。
1 障害者や難病者、要介護の高齢者等、郵便投票の対象者の拡大を図ること。
2 ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者等、自筆が困難な人のために代理投票制度の導入等、投票機会の確保を図ること。
3 現在の郵便投票制度における資格証明や申請手続き等の簡素化を図るなど、障害者の方々が容易に投票できるように改善を図ること。
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。
平成15年7月10日
高知県議会議長 溝 渕 健 夫
衆議院議長
参議院議長 様
内閣総理大臣
総務大臣
INDEX
1 日 程 | ・定例会日程 |
2 知事提案説明 | ・知事提案説明要旨 |
3 議 案 | ・本会議審議の結果 |