平成23年2月定例会の概要(2月22日(火) - 3月18日(金) 会期:25日間)
公開日 2022年07月27日
INDEX
日程
定例会日程
2月22日(火) - 3月18日(金) (会期:25日間)
月 | 日 | 曜 | 会議 | 行事 | 中継 |
---|---|---|---|---|---|
2 | 22 | 火 | 本会議 | 開会、議案上程、知事説明ほか | |
23 | 水 | 休会 | 議案精査 | ||
24 | 木 | 〃 | 〃 | ||
25 | 金 | 〃 | 〃 | ||
26 | 土 | 〃 | 休日 | ||
27 | 日 | 〃 | 〃 | ||
28 | 月 | 〃 | 議案精査 | ||
3 | 1 | 火 | 本会議 | 質疑並びに一般質問 ◇質問者◇ 武石利彦(自由民主党) 中内桂郎(県政会) 坂本茂雄(民主党・県民クラブ) |
|
2 | 水 | 〃 | 質疑並びに一般質問 ◇質問者◇ 田頭文吾郎(日本共産党と緑心会) 池脇純一(公明党) 清藤真司(南風(みなみかぜ)) |
||
3 | 木 | 〃 | 質疑並びに一般質問 ◇質問者◇ 土森正典(自由民主党) 植田壮一郎(県政会) 江渕征香(民主党・県民クラブ) |
||
4 | 金 | 〃 | 質疑並びに一般質問 ◇質問者◇ 西岡寅八郎(自由民主党) 谷本敏明(日本共産党と緑心会) 結城健輔(自由民主党) |
||
5 | 土 | 休会 | 休日 | ||
6 | 日 | 〃 | 〃 | ||
7 | 月 | 〃 | 予算委員会 ◇質問者◇ 桑名龍吾(自由民主党) 黒岩直良(県政会) 沖本年男(民主党・県民クラブ) 中根佐知(日本共産党と緑心会) 黒岩正好(公明党) ふぁーまー土居(南風(みなみかぜ)) 中西哲(自由民主党) |
||
8 | 火 | 〃 | 予算委員会 ◇質問者◇ 上田周五(県政会) 大石宗(民主党・県民クラブ) 塚地佐智(日本共産党と緑心会) 森田英二(自由民主党) 浜田英宏(自由民主党) 西森潮三(自由民主党) |
||
9 | 水 | 〃 | 常任委員会 | ||
10 | 木 | 〃 | 〃 | ||
11 | 金 | 〃 | 〃 | ||
12 | 土 | 〃 | 休日 | ||
13 | 日 | 〃 | 〃 | ||
14 | 月 | 〃 | 常任委員会 | ||
15 | 火 | 〃 | 〃 | ||
16 | 水 | 〃 | 〃 | ||
17 | 木 | 〃 | 議事整理日 | ||
18 | 金 | 本会議 | 委員長報告、採決、閉会 |
議決結果一覧
1. 議案関係
事件の番号 | 件名 | 議決結果 | 議決年月日 |
---|---|---|---|
第1号 | 平成23年度高知県一般会計予算 | 原案可決 | H23.3.18 |
第2号 | 平成23年度高知県給与等集中管理特別会計予算 | 〃 | 〃 |
第3号 | 平成23年度高知県旅費集中管理特別会計予算 | 〃 | 〃 |
第4号 | 平成23年度高知県用品等調達特別会計予算 | 〃 | 〃 |
第5号 | 平成23年度高知県会計事務集中管理特別会計予算 | 〃 | 〃 |
第6号 | 平成23年度高知県県債管理特別会計予算 | 〃 | 〃 |
第7号 | 平成23年度高知県土地取得事業特別会計予算 | 〃 | 〃 |
第8号 | 平成23年度高知県災害救助基金特別会計予算 | 〃 | 〃 |
第9号 | 平成23年度高知県母子寡婦福祉資金特別会計予算 | 〃 | 〃 |
第10号 | 平成23年度高知県中小企業近代化資金助成事業特別会計予算 | 〃 | 〃 |
第11号 | 平成23年度高知県流通団地及び工業団地造成事業特別会計予算 | 〃 | 〃 |
第12号 | 平成23年度高知県農業改良資金助成事業特別会計予算 | 〃 | 〃 |
第13号 | 平成23年度高知県県営林事業特別会計予算 | 〃 | 〃 |
第14号 | 平成23年度高知県林業・木材産業改善資金助成事業特別会計予算 | 〃 | 〃 |
第15号 | 平成23年度高知県沿岸漁業改善資金助成事業特別会計予算 | 〃 | 〃 |
第16号 | 平成23年度高知県流域下水道事業特別会計予算 | 〃 | 〃 |
第17号 | 平成23年度高知県港湾整備事業特別会計予算 | 〃 | 〃 |
第18号 | 平成23年度高知県高等学校等奨学金特別会計予算 | 〃 | 〃 |
第19号 | 平成23年度高知県電気事業会計予算 | 〃 | 〃 |
第20号 | 平成23年度高知県工業用水道事業会計予算 | 〃 | 〃 |
第21号 | 平成23年度高知県病院事業会計予算 | 〃 | 〃 |
第22号 | 平成22年度高知県一般会計補正予算(議発第4号「議案第22号平成22年度高知県一般会計補正予算に対する修正案」を否決) | 〃 | 〃 |
第23号 | 平成22年度高知県旅費集中管理特別会計補正予算 | 〃 | 〃 |
第24号 | 平成22年度高知県用品等調達特別会計補正予算 | 〃 | 〃 |
第25号 | 平成22年度高知県県債管理特別会計補正予算 | 〃 | 〃 |
第26号 | 平成22年度高知県母子寡婦福祉資金特別会計補正予算 | 〃 | 〃 |
第27号 | 平成22年度高知県中小企業近代化資金助成事業特別会計補正予算 | 〃 | 〃 |
第28号 | 平成22年度高知県流通団地及び工業団地造成事業特別会計補正予算 | 〃 | 〃 |
第29号 | 平成22年度高知県農業改良資金助成事業特別会計補正予算 | 〃 | 〃 |
第30号 | 平成22年度高知県県営林事業特別会計補正予算 | 〃 | 〃 |
第31号 | 平成22年度高知県林業・木材産業改善資金助成事業特別会計補正予算 | 〃 | 〃 |
第32号 | 平成22年度高知県沿岸漁業改善資金助成事業特別会計補正予算 | 〃 | 〃 |
第33号 | 平成22年度高知県流域下水道事業特別会計補正予算 | 〃 | 〃 |
第34号 | 平成22年度高知県港湾整備事業特別会計補正予算 | 〃 | 〃 |
第35号 | 平成22年度高知県高等学校等奨学金特別会計補正予算 | 〃 | 〃 |
第36号 | 平成22年度高知県工業用水道事業会計補正予算 | 〃 | 〃 |
第37号 | 知事等及び職員の給料等の特例に関する条例議案 | 〃 | 〃 |
第38号 | 高知県新しい公共支援基金条例議案 | 〃 | 〃 |
第39号 | 地方自治法第203条の2に規定する者の報酬及び費用弁償に関する条例及び知事等の給与、旅費等に関する条例の一部を改正する条例議案 | 〃 | 〃 |
第40号 | 職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例議案 | 〃 | 〃 |
第41号 | 高知県国民健康保険広域化等支援基金条例の一部を改正する条例議案 | 〃 | 〃 |
第42号 | 高知県妊婦健康診査支援基金条例の一部を改正する条例議案 | 〃 | 〃 |
第43号 | 高知県暴力団排除条例の施行に伴う関係条例の整備に関する条例議案 | 〃 | 〃 |
第44号 | 高知県介護保険法関係手数料徴収条例の一部を改正する条例議案 | 〃 | 〃 |
第45号 | 高知県介護基盤緊急整備等臨時特例基金条例の一部を改正する条例議案 | 〃 | 〃 |
第46号 | 高知県地域自殺対策緊急強化基金条例の一部を改正する条例議案 | 〃 | 〃 |
第47号 | 高知県緊急雇用創出臨時特例基金条例の一部を改正する条例議案 | 〃 | 〃 |
第48号 | 高知県手数料徴収条例の一部を改正する条例議案 | 〃 | 〃 |
第49号 | 高知県立都市公園条例の一部を改正する条例議案 | 〃 | 〃 |
第50号 | 高知県公営企業の設置等に関する条例及び高知県工業用水道有料駐車場料金徴収条例の一部を改正する条例議案 | 〃 | 〃 |
第51号 | 高知県県立高校通学支援奨学金貸与条例の一部を改正する条例議案 | 〃 | 〃 |
第52号 | 高知県立盲ろう福祉会館の設置及び管理に関する条例を廃止する条例議案 | 〃 | 〃 |
第53号 | 高知県病害虫防除用機具の無償貸付け条例を廃止する条例議案 | 〃 | 〃 |
第54号 | 高知県立地域職業訓練センターの指定管理者の指定に関する議案 | 〃 | 〃 |
第55号 | 権利の放棄に関する議案 | 〃 | 〃 |
第56号 | 権利の放棄に関する議案 | 〃 | 〃 |
第57号 | 県有財産(高知県宿毛湾港工業流通団地事業用地)の取得に関する議案 | 〃 | 〃 |
第58号 | 県が行う土地改良事業に対する市町村の負担の一部変更に関する議案 | 〃 | 〃 |
第59号 | 県が行う流域下水道の維持管理に要する費用に対する市の負担の変更に関する議案 | 〃 | 〃 |
第60号 | 包括外部監査契約の締結に関する議案 | 〃 | 〃 |
第61号 | 国道439号地域活力基盤創造交付金(落合トンネル)工事請負契約の締結に関する議案 | 〃 | 〃 |
第62号 | 国道441号地域活力基盤創造交付金(橘橋上部工)工事請負契約の締結に関する議案 | 〃 | 〃 |
第63号 | 県道高知東インター線地域活力基盤創造交付金稲生トンネル工事請負契約の一部を変更する契約の締結に関する議案 | 〃 | 〃 |
第64号 | 高知県監査委員の選任についての同意議案 | 同意 | 〃 |
議発 第1号 |
高知県議会議員の議員報酬及び議会の議員の中から選任された監査委員の報酬の特例に関する条例議案 | 原案可決 | 〃 |
議発 第2号 |
高知県議会の議員の定数並びに議員の選挙区及び各選挙区において選挙すべき議員の数に関する条例の一部を改正する条例議案 | 〃 | 〃 |
議発 第3号 |
市町村の合併に伴う高知県議会の議員の選挙区の特例に関する条例を廃止する条例議案 | 〃 | 〃 |
議発 第5号 |
国立室戸青少年自然の家の存続を求める意見書議案 | 〃 | 〃 |
議発 第6号 |
厚生年金病院・社会保険病院が引き続き公的医療機関として存続・機能充実を求める意見書議案 | 〃 | 〃 |
議発 第7号 |
「一般用医薬品のインターネット等販売規制の緩和」に反対する意見書議案 | 〃 | 〃 |
議発 第8号 |
介護職員処遇改善交付金 | 〃 | 〃 |
議発 第9号 |
「協同出資・協同経営で働く協同組合法(仮称)」の制定を求める意見書議案 | 〃 | 〃 |
議発 第10号 |
若者の雇用対策のさらなる充実を求める意見書議案 | 〃 | 〃 |
議発 第11号 |
公共交通機関のバリアフリー化のさらなる推進を求める意見書議案 | 〃 | 〃 |
議発 第12号 |
国民が安心して医療を受けられる制度の堅持を求める意見書議案 | 〃 | 〃 |
議発 第13号 |
「社会保障と税の一体改革」に関し、地方の意見の反映を求める意見書議案 | 〃 | 〃 |
議発 第14号 |
平成22年度高知県一般会計補正予算中「新図書館等整備事業費」に対する附帯決議議案 | 否決 | 〃 |
2. 請願関係
事件の番号 | 件名 | 議決結果 | 議決年月日 |
---|---|---|---|
請 第5号 |
住宅リフォーム助成制度創設を求める請願書 | 取下げ承認 | H23.3.18 |
請 第6号 |
高知県民・高知市民の意見を十分に反映させた図書館づくりを求める請願について | 不採択 | 〃 |
意見書
可決された意見書
国立室戸青少年自然の家の存続を求める意見書
「国立室戸青少年自然の家」は、昭和50年に全国最初の少年自然の家として設置され、これまでに115万人を超える青少年等が利用し、その立地条件を生かした海洋型青少年教育施設として、先導的・モデル的な事業を展開してきた。また広域的施設として、利用者数の増加に努めてきたところである。しかしながら、平成22年12月7日の閣議決定は、自治体・民間への移管や、これら以外の主体による運営、さらに、稼働率の低い施設については、廃止に向けた検討を行うことを決定した。
これは、これまで国立青少年自然の家が果たしてきた実績や成果の教育的な意義や価値に関する十分な検証・評価を行わず、また、国と地方の役割分担、個々の施設がそれぞれの地域で果たしている役割等についての十分な議論も行わないまま、経済合理性の視点からの評価により、一方的に、教育に関する国の責任を地方に押しつけ、又はその責任を放棄しようとするものであり誠に遺憾である。
新学習指導要領に、「体験活動の充実」がうたわれているにもかかわらず、若者の内向き志向がおさまらない今日、国立室戸青少年自然の家及び地元自治体等の一層の努力によって、自然の中でアクティブな体験活動や集団宿泊活動を推進する重要性はますます高まっている。
特に、室戸における施設の廃止は、この地域のみならず四国圏内の子供たちの体験活動の場が脆弱となり、教育の機会均等・水準の維持への配慮を著しく欠くことになるものである。
また、地方自治体においては、三位一体改革以来厳しい財政状況に陥っており、直ちに運営等を引き受けられるものではなく、結果として、全国ひとしくあるべき青少年の健全育成に係る教育に格差が生じることも憂慮されるものである。
よって、国におかれては、国立室戸青少年自然の家を引き続き国の責任において管理運営されるよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
高知県議会議長溝渕健夫
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
文部科学大臣
内閣官房長官
国家戦略担当大臣様
厚生年金病院・社会保険病院が引き続き公的医療機関として存続・機能充実を求める意見書
政府においては、平成17年10月から5年間で年金福祉施設等を譲渡または廃止することを目的とする独立行政法人「年金・健康保険福祉整理機構」(RFO)を設置し厚生年金病院等について整理合理化する検討が進められた。その後、平成22年1月からの通常国会において病院等の受け皿についての法案づくりがされてきた。しかし、その受け皿となる「地域医療機能推進機構法案」が、平成22年6月の臨時国会において衆議院は通過したにもかかわらず、参議院では審議未了のため廃案となったためRFOのさらなる2年間の延長がされた。厚生年金高知リハビリテーション病院については、本県における本格的リハビリ施設として、また、透析医療の中核を担う施設として、地域住民に模範的保健医療を提供する目的のもとに、長年、疾病の予防や治療を初め、身体・言語障害者の治療・訓練に大きく貢献してきているところである。今後においてもその存続とさらなる機能の充実が切に求められている。
よって、国におかれては、公的医療機関として存続させるよう法案の早期国会提出を成立させるよう特段の配慮を講ずること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
高知県議会議長溝渕健夫
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
厚生労働大臣
経済財政政策担当大臣
内閣官房長官
国家戦略担当大臣様
「一般用医薬品のインターネット等販売規制の緩和」に反対する意見書
政府の行政刷新会議規制・制度改革分科会は、平成23年1月26日に、「一般用医薬品のインターネット等販売規制の緩和」の中間取りまとめを行っており、この分科会において一般用医薬品のインターネット販売については、現在薬事法により認められている第3類医薬品のみならず、一般用医薬品全体への販売を拡大することや、店舗での販売においても、テレビ等を活用し、遠隔でも薬剤師や登録販売者の情報提供を受けられる場合は、薬剤師、登録販売者の常駐義務を撤廃することを検討している。医薬品は人の生命、健康に直接影響を与えるものとして、効能効果とともに、副作用の発生という危険性を併せ持っており、その品質、有効性及び安全性を確保するために薬事法に基づく製造、販売等の規制がなされてきた。
このたび、経済性や利便性を優先して、安易に医薬品のインターネット等販売規制の緩和を認めることは新たな副作用被害の発生を招くおそれがあるなど国民の生命、健康に大きな影響を及ぼすことが危惧される。
よって国民の健康で安全な生活を守るため、一般用医薬品のインターネット販売規制及び薬剤師、登録販売者の常駐義務の緩和には強く反対し、また、購入者と販売者による対面販売による双方向の情報共有により安全で適切な医薬品販売方法を堅持することを強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
高知県議会議長溝渕健夫
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
厚生労働大臣
消費者及び食品安全担当大臣様
介護職員処遇改善交付金に関する意見書
2009年の介護保険報酬改定では、深刻な人材不足と経営危機打開を目的に、初めて介護報酬の引き上げが行われた。さらに介護従事者の処遇を改善するために臨時特例交付金制度もつくられた。しかし、引き続き介護従事者の離職や人材不足など深刻な状況が続いている。同交付金は、3年間の時限措置であり、現在政府においてその後の対応等が検討されている。
よって、国におかれては、介護職員処遇改善交付金を平成24年度以降も継続するとともに、支給対象者の拡大など抜本的な改善を図るよう求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
高知県議会議長溝渕健夫
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
厚生労働大臣様
「協同出資・協同経営で働く協同組合法(仮称)」の制定を求める意見書
急速な少子高齢化社会の訪れや、世界同時不況による景気状況悪化の中、失業者や未就職者、障害者などの雇用の受け皿がなく、既存の法人だけでは雇用機会を確保できなくなっている。こうした中、地域に必要なサービスを協同出資・協同経営により事業化し、地域の課題を地域住民自身が解決するという新たな働き方が注目されている。既にEU(欧州連合)では、このような働く人が出資者、経営者を兼ねられる協同組合が法制化され、現在100万人以上の若者や障害者、高齢者など幅広い人材が就労しており、主に福祉、環境整備、子育て支援などの事業に従事している。
しかしながら、日本では協同労働による形態で働く人が3万人を超えると言われているにもかかわらず、法律が未整備であり、法人格が持てないことから、事務所の土地や建物を登記できず、金融機関から借り入れができないなど、不安定な状態にある。このため、NPO法人などとして活動せざるを得ないのが現状であるが、これでは協同出資・協同経営は実現されず、自発的な就労創出の促進を図ることができない。
この法案が制定されることにより、経済の活性化だけでなく、未就職の新規学卒者や未就労の若者、障害者や高齢者などがみずから就労の機会をつくり出し、新たな生きがい創出につながるものと期待される。
よって、国におかれては、このような社会の実情を踏まえ、「協同出資・協同経営で働く協同組合法(仮称)」を制定するよう強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
高知県議会議長溝渕健夫
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
厚生労働大臣
内閣官房長官
経済財政政策担当大臣
国家戦略担当大臣様
若者の雇用対策のさらなる充実を求める意見書
今春卒業見込みの大学生の就職内定率は昨年12月1日時点で68.8%にとどまり、調査を開始した1996年以降で最悪となった。日本の将来を担うべき若者の人生にとって厳しい問題であり、経済・社会の活力低下という点から見ても大変憂慮すべき事態である。景気低迷が長引く中、大企業が採用を絞り込んでいるにもかかわらず、学生は大企業志向が高く、一方、採用意欲が高い中小企業には人材が集まらない――といった、いわゆる雇用のミスマッチ(不適合)が就職内定率低下の要因の一つと考えられる。政府は、こうした事態を深刻に受けとめ、今こそ若者の雇用対策をさらに充実させるべきである。
特に、都市部で暮らす学生が地方の企業情報を求めても、地方に所在する多くの中小企業は資金的余裕がないなどの理由で事業内容や採用情報などを提供できておらず、都市と地方の雇用情報の格差が指摘されている。若者の雇用確保と地元企業の活性化のためにも自治体が行う中小企業と学生をつなぐマッチング事業に積極的な支援が必要と考える。
よって、国におかれては、雇用ミスマッチの解消を初めとする若者の雇用対策を充実させるため、次の事項を早急に決定・実施するよう強く求める。
1人材を求める地方の中小企業と学生をつなぐためのマッチング事業を自治体が積極的に取り組めるよう支援すること。
2都市と地方の就職活動費用の格差是正とともに、どこでも情報を収集できるよう「就活ナビサイト」のさらなる充実を図り、地域雇用の情報格差を解消すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
高知県議会議長溝渕健夫
内閣総理大臣
厚生労働大臣
経済産業大臣様
公共交通機関のバリアフリー化のさらなる推進を求める意見書
本格的な高齢社会を迎えたことで、高齢者が安心して生活を送りながら、社会・経済活動にも積極的に参加できる社会の構築がますます求められている。また、障害者が必要なサービスを享受しながら、自立し、安心して暮らすためにも公共施設等のバリアフリー化が喫緊の課題である。政府は、これまで平成18年制定の「バリアフリー新法」に基づき、1日の平均利用者数が5,000人以上の鉄道駅やバスターミナル等について、平成22年までにすべてバリアフリー化することを目標に取り組みを進めてきた。
しかしながら、例えば鉄道駅のバリアフリー化の進捗率は約77%(平成22年3月末現在)にとどまっている。
よって、国におかれては、新たな政府目標を定めた上で、政府、地方公共団体、事業者の連携強化を図りつつ、地域のニーズに対応した公共交通機関のバリアフリー化をさらに推進するよう、次の事項の実施を強く要望する。
1新たな政府目標を早急に定め、地方公共団体、事業者の理解を得るよう周知徹底に努めること。
2市町村によるバリアフリー基本構想の作成がさらに進むよう、未作成地域を中心に、実効性のあるよりきめ細かい啓発活動を行うこと。
3地方公共団体の財政状況に配慮し、補助等の支援措置を充実すること。
4身体障害者や要介護者など移動制約者の福祉輸送ニーズに対応した福祉タクシーやノンステップバスの普及に努めること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
高知県議会議長溝渕健夫
内閣総理大臣
国土交通大臣様
国民が安心して医療を受けられる制度の堅持を求める意見書
政府は昨年6月に「新成長戦略」を閣議決定し、そのなかで、医療・介護・健康関連産業を、日本の成長牽引産業として明確に位置づけた。このため、医療の営利産業化に向けた市場開放についての議論が、政府内で急速に展開されている。折しも本年6月には我が国のTPPへの参加可否が判断されることになっている。仮にTPPへの無条件参加が決まれば、我が国の医療に市場原理主義が持ち込まれ、国民皆保険制度の崩壊を加速度的に招く事態になりかねない。
これまで我が国では、すべての国民が公的医療保険に加入し、国際的にも高い医療水準によって、世界で最も公平、平等な医療制度を維持してきた。
国民に安全で良質な医療提供の実現を図っていくことは、国に課せられた責務である。
よって、国におかれては、国民皆保険制度の下、いつでも、どこでも、だれもが公平に受けることができる医療をこれからも断固守り続けていくため、次の事項について強く要望する。
1我が国の優れた公的医療保険制度を維持・発展させるため、医療への市場原理の導入、営利産業化を行わないこと。
2国民保険制度の下、いつでも、どこでも、だれでも公平に受けることができる医療を今後も堅持すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
高知県議会議長溝渕健夫
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
厚生労働大臣
経済財政政策担当大臣
内閣官房長官
国家戦略担当大臣様
「社会保障と税の一体改革」に関し、地方の意見の反映を求める意見書
人口減少と高齢化が進展する中、国会において、「社会保障と税の一体改革」の議論が本格的に始まっている。社会保障と税のあり方について議論が進められ、国民が納得できる制度をつくり上げていくことは、今後の我が国の社会全体にとって、極めて重要な意味を持つものと考える。
我が国において地方自治体は、介護など高齢者福祉のほかにも、子育て支援や障害福祉といった社会保障に関するサービスの給付、運営主体となっており、こうした地方自治体の役割は、今後、ますます重要になってくるものと考えられる。しかしながら、これまでのところ、政府の「社会保障と税の一体改革」に関する議論の検討体制の中では、地方自治体の意見を積極的に聞く予定が示されていない。
改革の議論を進めていく際には、社会保障に関する行政サービスにおいて、地方自治体が担っている役割が非常に大きいという現状認識に立つとともに、地方自治体の財政事情に沿った形で議論が行われるべきである。
よって、国におかれては、「社会保障と税の一体改革」の議論に、地方自治体代表を参画させ、その意見を聞く検討体制を早急に確立するよう、強く要請する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
高知県議会議長溝渕健夫
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
厚生労働大臣
内閣官房長官
社会保障・税一体改革担当大臣
国家戦略担当大臣様