平成22年6月定例会の概要(6月9日(水) - 6月23日(水) 会期:15日間)

公開日 2022年07月27日

INDEX

  1. 日程・定例会日程
  2. 議決結果一覧・本会議審議の結果
  3. 意見書・可決された意見書等

日程

定例会日程

6月9日(水) - 6月23日(水) (会期:15日間)

第307回高知県議会(6月)定例会日程
会議 行事 中継
6 9 本会議 開会、議案上程、知事説明ほか  
  10 休会 議案精査  
  11  
  12 休日  
  13  
  14 本会議 質疑並びに一般質問
◇質問者◇
中西哲(自由民主党)
黒岩直良(県政会)
大石宗(民主党・県民クラブ)
 
  15 質疑並びに一般質問
◇質問者◇
中根佐知(日本共産党と緑心会)
西森雅和(公明党)
森田英二(自由民主党)
 
  16 質疑並びに一般質問
◇質問者◇
上田周五(県政会)
元木益樹(自由民主党)
 
  17 休会 常任委員会  
  18  
  19 休日  
  20  
  21 常任委員会  
  22 議事整理  
  23 本会議 委員長報告、採決、閉会  

議決結果一覧

1. 議案関係

事件の番号 件名 議決結果 議決年月日
第1号 職員団体のための職員の行為の制限の特例に関する条例及び企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部を改正する条例議案 原案可決 H22.6.23
第2号 職員の育児休業等に関する条例等の一部を改正する条例の一部を改正する条例議案
第3号 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例議案
第4号 高知県税条例の一部を改正する条例議案
第5号 過疎地域等における県税の課税免除に関する条例の一部を改正する条例議案
第6号 高知県手数料徴収条例の一部を改正する条例議案
第7号 高知県後期高齢者医療財政安定化基金条例の一部を改正する条例議案
第8号 高知県特別会計設置条例の一部を改正する条例議案
第9号 高知県立自然公園条例の一部を改正する条例議案
第10号 高知県自然環境保全条例の一部を改正する条例議案
第11号 高知県立学校授業料等徴収条例の一部を改正する条例議案
第12号 高知県離島漁業再生支援基金条例を廃止する条例議案
第13号 有料道路「高知桂浜道路」の事業の一部変更に関する議案
第14号 高知県教育委員会の委員の任命についての同意議案 同意
第15号 高知県公安委員会の委員の任命についての同意議案

第1号
平成21年度高知県一般会計補正予算の専決処分報告 承認

第2号
平成21年度高知県電気事業会計補正予算の専決処分報告

第3号
平成22年度高知県一般会計補正予算の専決処分報告

第4号
高知県税条例の一部を改正する条例の専決処分報告

第5号
高知県特別会計設置条例の一部を改正する条例の専決処分報告

第6号
高知県が当事者である和解の専決処分報告
議発
第1号
議員を派遣することについて議会の決定を求める議案 原案可決
議発
第2号
公立高等学校授業料不徴収交付金に関する意見書議案
議発
第3号
発達障害や、その他文字を認識することに困難のある児童生徒のためのマルチメディアデイジー教科書の普及促進を求める意見書議案
議発
第4号
子宮頸がんに関する意見書議案
議発
第5号
B型肝炎訴訟を全面解決し、早急に被害者全員の救済を求める意見書議案
議発
第6号
鳥獣被害対策の推進と鳥獣被害防止総合対策交付金の復活、充実を求める意見書議案
議発
第7号
未就職新卒者の支援策実施を求める意見書議案
議発
第8号
米の戸別所得補償対策等の見直しを求める意見書議案
議発
第9号
口蹄疫の防疫対策等に関する意見書議案
議発
第10号
消費税の増税に反対する意見書議案 否決

意見書

可決された意見書

公立高等学校授業料不徴収交付金に関する意見書

「公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律(平成22年法律第18号)」が平成22年4月1日に施行されたことに伴い、今年度から公立高等学校の授業料が無償化され、これまで地方公共団体が生徒から徴収していた授業料に相当する額を、国が「公立高等学校授業料不徴収交付金」として負担することとなった。
しかしながら、都道府県に交付される交付金の額は、これまでに各地方公共団体が生徒から授業料として徴収していた収入額ではなく、基礎授業料に10月1日の生徒数を乗じて得た額に、全国一律の調整率(交付税措置の0.115を除いた0.885)を乗じて算定した額とされている。この一律の調整率を乗じて交付金を算定すると、各地方公共団体の授業料減免額の実績が異なるため、多額の収入減となる地方公共団体が生じる。
現在の地方財政状況からすると、収入減となる地方公共団体においては一般財源に影響があり、厳しい財政運営が求められることになる。
今般の授業料不徴収制度は、高等学校等の進学率が約98%の中で、その費用については社会全体で支え、家庭の状況にかかわらず、全ての意志ある高校生等が安心して勉学に打ち込める社会をつくるという制度の趣旨から導入されたものである。
よって、国におかれては、学校運営上必要となる財源は、一般財源化される普通交付税措置とセットになった手法ではなく、地方公共団体の財政力にかかわらず確実に担保できるよう、交付金に一本化すべきであり、公立高等学校授業料不徴収交付金について、次のとおり要望する。

1「公立高等学校授業料不徴収交付金」は、基礎授業料と生徒数で求めた授業料収入相当額を全額交付金として国が負担すること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

高知県議会議長溝渕健夫

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
文部科学大臣様

発達障害や、その他文字を認識することに困難のある児童生徒のためのマルチメディアデイジー教科書の普及促進を求める意見書

平成20年9月に「障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及の促進等に関する法律」、いわゆる教科書バリアフリー法が施行された。
この教科書バリアフリー法の施行を機に、平成21年9月より、(財)日本障害者リハビリテーション協会(以下、「リハ協」という。)がボランティア団体の協力を得て、通常の教科書と同様のテキストと画像を使用し、デジタル化対応することで、テキスト文字に音声をシンクロ(同期)させて読むことを可能にした「マルチメディアデイジー版教科書」(以下、「デイジー教科書」という。)の提供を始めた。また文部科学省において、平成21年度より、デイジー教科書などの発達障害等の障害特性に応じた教材の在り方やそれらを活用した効果的な指導方法等について、実証的な調査研究が実施されている。
現在、デイジー教科書は、上記のとおり文部科学省の調査研究事業の対象となっているが、その調査研究段階であるにもかかわらず、平成21年12月現在で約300人の児童生徒に活用され、保護者などから学習理解が向上したとの効果が表明されるなど、デイジー教科書の普及推進への期待が大変に高まっている。
しかし、デイジー教科書は教科書無償給与の対象となっていないことに加えて、その製作は、多大な時間と費用を要するにもかかわらず、ボランティア団体頼みであるため、必要とする児童生徒の希望に十分に応えられない状況にあり、実際にリハ協が平成21年度にデジタル化対応したデイジー教科書は、小中学生用教科書全体の約4分の1に留まっている。
このような現状を踏まえると、まず教科用特定図書等の普及促進のための予算の更なる拡充が求められるところだが、平成21年度の同予算が1億7,200万円に対し、平成22年度は1億5,600万円と縮減されており、これらの普及促進への取り組みは不十分であると言わざるを得ない。
よって、国におかれては、必要とする児童生徒、担当教員等にデイジー教科書を安定して配布・提供できるように、その普及促進のための体制の整備及び必要な予算措置を講ずることを要望する。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

高知県議会議長溝渕健夫

内閣総理大臣
文部科学大臣様

子宮頸がんに関する意見書

女性のがんである子宮頸がんとして、毎年約8,000人の方が診断され、約2,500人が亡くなっている。
子宮頸がんには、他のがんにない特徴がある。一つは、発症年齢が低いということである。子宮頸がんの発症年齢層のピークは年々低年齢化しており、1978年ごろは50歳以降だったのに対し、1998年には30代になり、20代、30代の若い女性の子宮頸がんが急増している。
もう一つは、子宮頸がんの原因のほとんどが、ヒトパピローマウイルス(HPV)による感染によるものということである。8割近くの女性が一生のうちにHPVに感染するものの感染した女性がすべて発症するわけではなく、持続感染により子宮頸がんが発症するといわれている。このHPV感染を予防するワクチンが日本では2009年10月に承認され、同年12月からワクチン接種が始まった。このワクチンは、子宮頸がん全体の約7割を予防できるとされており、子宮頸がんは「予防可能ながん」ということである。
しかし、予防のためには3回の接種が必要で、接種費用が合計4~5万円と高価なことが普及の妨げとなっている。
よって、国におかれては、子宮頸がんの予防・早期発見のための取り組みを推進するため、次の事項について早急に実現するよう強く要望する。

1定期の予防接種を行えるよう、子宮頸がんを予防接種法による対象疾病に定めること。
2若い女性に急増する子宮頸がんの早期発見のために、定期的な検診など、検診受診率の向上を図ること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

高知県議会議長溝渕健夫

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
厚生労働大臣様

B型肝炎訴訟を全面解決し、早急に被害者全員の救済を求める意見書

集団予防接種での注射器の使い回しによってB型肝炎ウイルスに感染した被害について、2006年の最高裁判決で国の責任が明確に認定され、この後、新たに起こされた訴訟についても、本年3月、札幌地方裁判所及び福岡地方裁判所が、和解勧告を行い、5月に、国は両地方裁判所で和解協議入りする態度を表明した。
ところが、国は、具体的な解決策を示さず、検討には時間が必要であるとしている。それに対し被害者からは、2006年の最高裁判決がなされてすでに4年、本訴訟が提起されて2年が経過し、さらに、和解勧告から2カ月の期間があったにもかかわらず、何らの解決策も提示しない今回の国の対応は、まったく不誠実と言わざるを得ない、と抗議の声があがっている。
新たな訴訟がおこされた、この2年間だけですでに10名の原告の方が亡くなり、和解勧告後でも2名の方が亡くなっており、一刻も早い解決が求められている。
全国には、B型肝炎患者・ウイルス感染者が120万人から140万人いると推定され、多くの被害者が苦しんでいる。その原因が国の厚生行政のずさんさにある以上、国には、ウイルス性肝炎患者・感染者の救済対策を取る義務がある。
よって、国におかれては、B型肝炎訴訟の全面解決に誠実に取り組み、早急に被害者全員の救済に取り組むことを求める。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

高知県議会議長溝渕健夫

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
法務大臣
財務大臣
厚生労働大臣様

鳥獣被害対策の推進と鳥獣被害防止総合対策交付金の復活、充実を求める意見書

野生鳥獣による農林作物に対する被害が増大し、深刻な事態となっている。本県も市町村や農家の連携のもとに、さまざまな被害防止対策や有害鳥獣としての捕獲対策を実施し一定の効果はあげているものの被害は広範囲にわたり、対策の一層の強化が求められているところである。
県内各地域よりも強い要望のある防護柵の設置等について、本県は当初予算で約3114万円を計上していたが、本年度の国の鳥獣害対策交付金が大きく削減され、内示額は941万円にとどまり、当初予算のわずか3割となっている。
関係市町村や農家からは、交付金削減は地方の実情を無視したもので、農林作物への被害増大は必至であると懸念の声と、予算増額を求める強い声が出ている。
よって、国におかれては、削減された防護柵の設置等にかかわる交付金を直ちに復活するとともに、関係自治体からの要望にこたえられるよう予算の増額を図ることを強く要望する。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

高知県議会議長溝渕健夫

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
農林水産大臣
環境大臣様

未就職新卒者の支援策実施を求める意見書

平成21年度大学等卒業者の就職率は、今年4月1日時点で91.8%となり、前年同期比3.9%減で過去2番目の低さとなった。社会人として第一歩を踏み出すときに職業につけないということは、日本の将来を担うべき若者の人生にとって厳しい問題であり、経済・社会の活力低下という点から見ても大変憂慮すべき事態である。
こうした中で、大企業を中心にした「新卒優先採用」の雇用慣行が卒業後の就職活動を困難にするため、就職活動に有利な「新卒」の立場を続けるためにあえて留年する「希望留年者」を生み出している。今春、就職未定の新卒者は大学・高校卒などで約8万人とも推計されているが、この推計には希望留年者は含まれていないため、"未就職新卒者"
は実質的に8万人以上に上るとみられている。
また、景気低迷が続く中で大企業の採用が落ち込んでいるにもかかわらず、学生は大企業志向が高く、一方で、中小企業は採用意欲が高いにもかかわらず人材が不足しているといった雇用のミスマッチ(不適合)解消も喫緊の課題といえる。
若者の厳しい雇用情勢に対応するため、速やかに国を挙げて雇用確保のための成長戦略を初め、経済政策、雇用支援策など全面的に手を打つべきである。
よって、国におかれては、特に未就職新卒者の支援策を早急に実施するよう、次の事項の実現を強く要望する。

1大企業を中心とした「新卒優先採用」という雇用慣行や就職活動の早期化を見直し、卒業後3年間は「新卒」扱いにするなど、企業、大学の間で新しいルールを策定すること。
2大企業志向を強める学生と人材不足の中小企業を結び付けるための情報提供を行う「政府版中小企業就活応援ナビ」を創設するなど、雇用のミスマッチを解消すること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

高知県議会議長溝渕健夫

内閣総理大臣
文部科学大臣
厚生労働大臣
経済産業大臣様

米の戸別所得補償対策等の見直しを求める意見書

戸別所得補償モデル対策について、4月1日より加入受付が始まったが、各地の農家からはいまだに不安と戸惑いの声が絶えない。周知不足や準備のおくれも否めず、制度運用面での変更も相次いでおり安心して営農できない状況である。
よって、国におかれては、来年度からは本格実施を行うとしているが、生産現場と地域ごとの事情に配慮し、稚拙な制度にならぬことを求めるとともに、今年度の制度について次の事項のとおり改善するよう要望する。

1算定方式の見直し。
米の生産費について一番高い四国と、一番低い北海道では約1.7倍の差があり、生産費と販売価格の差額として全国一律とした算定方式は、不公平であり見直しを求める。
2地域の自主性を尊重すること。
今まで、地域ごとに産地づくりとして支援してきた特産品作物に対する加算措置がなくなり、産地づくりに取り組んできた農家の経営を阻害する要因になっている。地域の自主性、特色が尊重される仕組みに見直すべきである。
3農山漁村の基盤整備の促進。
米の戸別所得補償モデル事業の実施においても土地改良事業費を約6割削減するなど、必要な環境整備が進んでいない。用排水路等の更新時期も来ていることから、農村の生活環境の改善、農地の確保や基盤整備、用水の確保や道路などインフラ整備を早期に実施・促進するべきである。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

高知県議会議長溝渕健夫

内閣総理大臣
農林水産大臣様

口蹄疫の防疫対策等に関する意見書

宮崎県で発生した口蹄疫は、関係者による懸命の防疫措置にもかかわらず、拡大の一途をたどり、宮崎県知事による「非常事態宣言」が発せられるなど深刻な事態になっているとともに、いまだ感染源や侵入経路が特定されていないことから、本県の畜産関係者の不安は日ごとに増すばかりである。
この状況に対し、本県では、宮崎県への家畜防疫員の派遣などの支援を継続し、口蹄疫を絶対に侵入させないという認識のもと、水際対策として港での九州からの車両消毒の実施や畜産農家全戸への緊急調査、消石灰の配布による一斉消毒を行うなど、あらゆる対策を講じている。
よって、国におかれては、ワクチン接種による新たな清浄化対策の実施や口蹄疫対策特別措置法を早期に制定し、施行したところであるが、宮崎県での一刻も早い終息への対応と畜産農家の経営再建に全力を注ぐとともに、次の事項を実現するよう、強く要望する。

1今後の防疫体制の充実を図る上でも、口蹄疫の感染源と侵入経路を早期に解明すること。
2国において、蔓延防止対策に必要な量の防疫資材について、常時の備蓄体制を強化すること。
3口蹄疫の侵入防止のために要する消毒薬その他防疫資材に係る経費について、財政支援を講じること。
4消費者が、国産の牛肉・豚肉等の購入を控えないよう、的確な風評被害防止対策を行うこと。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

高知県議会議長溝渕健夫

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
農林水産大臣様

INDEX

  1. 日程・定例会日程
  2. 議決結果一覧・本会議審議の結果
  3. 意見書・可決された意見書等