平成22年9月定例会の概要(9月24日(金) - 10月14日(木) 会期:21日間)
公開日 2022年07月27日
INDEX
日程
定例会日程
9月24日(金) - 10月14日(木) (会期:21日間)
月 | 日 | 曜 | 会議 | 行事 | 中継 |
---|---|---|---|---|---|
9 | 24 | 金 | 本会議 | 開会、議案上程、知事説明ほか | |
25 | 土 | 休会 | 休日 | ||
26 | 日 | 〃 | 〃 | ||
27 | 月 | 〃 | 議案精査 | ||
28 | 火 | 〃 | 〃 | ||
29 | 水 | 〃 | 〃 | ||
30 | 木 | 本会議 | 質疑並びに一般質問 ◇質問者◇ 桑名龍吾(自由民主党) 横山浩一(県政会) 沖本年男(民主党・県民クラブ) |
||
10 | 1 | 金 | 〃 | 質疑並びに一般質問 ◇質問者◇ 米田稔(日本共産党と緑心会) 黒岩正好(公明党) 三石文隆(自由民主党) |
|
2 | 土 | 休会 | 休日 | ||
3 | 日 | 〃 | 〃 | ||
4 | 月 | 本会議 | 質疑並びに一般質問 ◇質問者◇ 井上自由(民主党・県民クラブ) 西森潮三(自由民主党) |
||
5 | 火 | 休会 | 予算委員会 ◇質問者◇ 浜田英宏(自由民主党) 植田壮一郎(県政会) 坂本茂雄(民主党・県民クラブ) 谷本敏明(日本共産党と緑心会) 西森雅和(公明党) 清藤真司(南風(みなみかぜ)) 土森正典(自由民主党) |
||
6 | 水 | 〃 | 常任委員会 | ||
7 | 木 | 〃 | 〃 | ||
8 | 金 | 〃 | 〃 | ||
9 | 土 | 〃 | 休日 | ||
10 | 日 | 〃 | 〃 | ||
11 | 月 | 〃 | 〃(体育の日) | ||
12 | 火 | 〃 | 常任委員会 | ||
13 | 水 | 〃 | 議事整理 | ||
14 | 木 | 本会議 | 委員長報告、採決、閉会 |
議決結果一覧
1. 議案関係
事件の番号 | 件名 | 議決結果 | 議決年月日 |
---|---|---|---|
第1号 | 平成22年度高知県一般会計補正予算(議発第3号「議案第1号平成22年度高知県一般会計補正予算に対する修正案」を否決) | 原案可決 | H22.10.14 |
第2号 | 平成22年度高知県土地取得事業特別会計補正予算 | 〃 | 〃 |
第3号 | 平成22年度高知県流通団地及び工業団地造成事業特別会計補正予算 | 〃 | 〃 |
第4号 | 高知県暴力団排除条例議案 | 〃 | 〃 |
第5号 | 高知県医療施設耐震化臨時特例基金条例の一部を改正する条例議案 | 〃 | 〃 |
第6号 | 高知県医師養成奨学貸付金等貸与条例の一部を改正する条例議案 | 〃 | 〃 |
第7号 | 高知県社会福祉施設等耐震化等臨時特例基金条例の一部を改正する条例議案 | 〃 | 〃 |
第8号 | 高知県手数料徴収条例の一部を改正する条例議案 | 〃 | 〃 |
第9号 | 高知県浄化槽設置推進に関する条例の一部を改正する条例議案 | 〃 | 〃 |
第10号 | 高知県風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例の一部を改正する条例議案 | 〃 | 〃 |
第11号 | 高知県中山間地域等直接支払基金条例を廃止する条例議案 | 〃 | 〃 |
第12号 | 県有財産((仮称)香南工業団地造成事業用地)の取得に関する議案 | 〃 | 〃 |
第13号 | 県が行う土木その他の建設事業に対する市町村の負担の一部変更に関する議案 | 〃 | 〃 |
第14号 | 国道439号地域活力基盤創造交付金(仮称仲井谷トンネル)工事請負契約の締結に関する議案 | 〃 | 〃 |
第15号 | 県道窪川船戸線地域活力基盤創造交付金(岩土トンネル)工事請負契約の締結に関する議案 | 〃 | 〃 |
第16号 | 高知県立高知海洋高等学校水産指導実習船建造工事請負契約の締結に関する議案 | 〃 | 〃 |
第17号 | 国道441号道路改築(網代トンネル第1工区)工事請負契約の一部を変更する契約の締結に関する議案 | 〃 | 〃 |
報 第1号 |
平成21年度高知県一般会計歳入歳出決算 | 継続審査 | H22.10.4 |
報 第2号 |
平成21年度高知県給与等集中管理特別会計歳入歳出決算 | 〃 | 〃 |
報 第3号 |
平成21年度高知県旅費集中管理特別会計歳入歳出決算 | 〃 | 〃 |
報 第4号 |
平成21年度高知県用品等調達特別会計歳入歳出決算 | 〃 | 〃 |
報 第5号 |
平成21年度高知県会計事務集中管理特別会計歳入歳出決算 | 〃 | 〃 |
報 第6号 |
平成21年度高知県県債管理特別会計歳入歳出決算 | 〃 | 〃 |
報 第7号 |
平成21年度高知県土地取得事業特別会計歳入歳出決算 | 〃 | 〃 |
報 第8号 |
平成21年度高知県災害救助基金特別会計歳入歳出決算 | 〃 | 〃 |
報 第9号 |
平成21年度高知県母子寡婦福祉資金特別会計歳入歳出決算 | 〃 | 〃 |
報 第10号 |
平成21年度高知県中小企業近代化資金助成事業特別会計歳入歳出決算 | 〃 | 〃 |
報 第11号 |
平成21年度高知県流通団地及び工業団地造成事業特別会計歳入歳出決算 | 〃 | 〃 |
報 第12号 |
平成21年度高知県農業改良資金助成事業特別会計歳入歳出決算 | 〃 | 〃 |
報 第13号 |
平成21年度高知県県営林事業特別会計歳入歳出決算 | 〃 | 〃 |
報 第14号 |
平成21年度高知県林業・木材産業改善資金助成事業特別会計歳入歳出決算 | 〃 | 〃 |
報 第15号 |
平成21年度高知県沿岸漁業改善資金助成事業特別会計歳入歳出決算 | 〃 | 〃 |
報 第16号 |
平成21年度高知県流域下水道事業特別会計歳入歳出決算 | 〃 | 〃 |
報 第17号 |
平成21年度高知県港湾整備事業特別会計歳入歳出決算 | 〃 | 〃 |
報 第18号 |
平成21年度高知県高等学校等奨学金特別会計歳入歳出決算 | 〃 | 〃 |
報 第19号 |
平成21年度高知県電気事業会計決算 | 〃 | 〃 |
報 第20号 |
平成21年度高知県工業用水道事業会計決算 | 〃 | 〃 |
報 第21号 |
平成21年度高知県病院事業会計決算 | 〃 | 〃 |
議発 第1号 |
高知県歯と口の健康づくり条例議案 | 原案可決 | H22.10.14 |
議発 第2号 |
議員を派遣することについて議会の決定を求める議案 | 〃 | 〃 |
議発 第4号 |
公共投資の推進による景気対策を求める意見書議案 | 〃 | 〃 |
議発 第5号 |
尖閣諸島沖における中国漁船衝突事件に関する意見書議案 | 〃 | 〃 |
議発 第6号 |
子宮頸がんの予防措置実施の推進を求める意見書議案 | 〃 | 〃 |
議発 第7号 |
私学助成金の堅持及び充実強化に関する意見書議案 | 〃 | 〃 |
議発 第8号 |
完全な地上デジタル化放送の実施に向けて円滑な移行策を求める意見書議案 | 〃 | 〃 |
議発 第9号 |
国産材の利用拡大と環境問題に寄与するエコ住宅政策の拡充を求める意見書議案 | 〃 | 〃 |
議発 第10号 |
公共交通機関への支援を含む総合的な交通体系の構築を求める意見書議案 | 〃 | 〃 |
議発 第11号 |
外国資本等による土地売買等に関する法整備を求める意見書議案 | 〃 | 〃 |
議発 第12号 |
地方財政の充実・強化を求める意見書議案 | 否決 | 〃 |
議発 第13号 |
地方財政の充実を求める意見書議案 | 原案可決 | 〃 |
議発 第14号 |
新たな経済対策を求める意見書議案 | 〃 | 〃 |
2請願関係
特に地方経済は深刻で、中小・零細企業は、デフレの影響や公共投資の大幅削減の影響で長引く不況にあえいでいる。したがって、政府は当面の景気回復のための経済対策を打つべきであり、特に地方経済の振興は国の景気対策として欠かせないものである。そのためには、政府が地方振興策及び地方の雇用拡充を重要な施策として取り組み、必要な公共投資を積極的に行うことで、景気対策を進めるべきである。
公共施設の耐震化や、近年多発している「ゲリラ豪雨」などの災害対策は、必要な公共事業として潜在的需要が高いと考える。
このように、必要な公共投資は着実に推進すべきであり、地方経済が活性化する効果も大いに見込めるものである。
よって、国におかれては、地方の雇用拡充と内需振興を図る景気対策のために、真に必要とされる次のような公共投資について、予算確保と執行を強く求める。
1学校など公共施設の耐震化に積極的に取り組み、雇用の拡充と地方経済の活性化を図ること。
2太陽光発電の設置や、介護施設の拡充といった公共投資を着実に促進し、内需の振興を図ること。
3老朽化した施設(橋梁、トンネル、上下水道管など)の計画的な更新・大規模修繕を積極的に推進し、地域生活の安全と地方振興に取り組むこと。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
高知県議会議長溝渕健夫
内閣総理大臣
文部科学大臣
厚生労働大臣
経済産業大臣
国土交通大臣様
「尖閣諸島は日本固有の領土で領有権の問題は存在しない」というのが政府の見解である。過去の経緯を見ても中国や台湾が領有権について独自の主張を行うようになったのは、1970年以降であり、それ以前はどの国も異義を唱えたことはなかった。
しかし今回、中国人船長が逮捕されると、閣僚級以上の交流停止や国連総会での日中首脳会談の見送り、そして日本人4人の身柄を拘束するなどの対抗措置をとり、中国人観光客の訪日中止など日本の各種産業にも悪影響が出ている状況にある。
このような流れの中で、船長を釈放したことは「中国の圧力に屈した」との印象を与え、今後同様の事件に関しては、国内法に基づいて厳正に対処していく姿勢を貫かなければならない。また、このような結果は、国際社会にも誤ったメッセージを与えきわめて遺憾である。
よって、国におかれては、次の事項を実現し、毅然とした外交姿勢を確立されることを求める。
1「尖閣諸島は日本の固有の領土である」との態度を明確に中国及び諸外国に示し、今後同様の事件が起こった際は、国内法に基づき厳正に対処すること。
2海上保安庁が撮影した衝突時のビデオの公表を含め、事実関係の解明に努めること。
3政府は、検察当局の判断も含め、臨時国会の場で国民に対し説明責任を果たすこと。
4中国からの謝罪要求や賠償請求には応じず、日本が被った損害を請求すること。
5尖閣諸島の警備体制を充実・強化すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
高知県議会議長溝渕健夫
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
法務大臣
外務大臣
国土交通大臣
内閣官房長官様
子宮頸がんの予防対策としては、予防ワクチンを接種すること、及び予防検診(細胞診・HPV検査)によってHPV感染の有無を定期的に検査し、前がん病変を早期に発見することが挙げられる。
昨年、子宮頸がん予防ワクチンが承認・発売開始となり、ワクチン接種が可能になった。費用が高額なため、一部の自治体ではワクチン接種への公費助成を行なっているが、居住地により接種機会に格差が生じることがないよう国の取り組みが望まれる。予防検診の実施についても同様に、自治体任せにするのではなく、受診機会を均てん化すべきである。
よって、国におかれては、子宮頸がんがワクチン接種と予防検診により発症を防ぐことが可能であることを十分に認識し、次の項目について実施されるよう強く要望する。
1急いで予防接種法に位置づけること
(1)予防接種費用については国が負担すること
(2)対象者については年齢を問わず予防効果の高い者に接種できるようにすること
(3)ワクチンの安定供給の確保及び新型ワクチンの開発に関する研究を行うこと
2子宮頸がん予防検診の内容を見直すこと
がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針を見直しHPV検査を追加するとともに有効ながん検診を実施すること
3子宮頸がん及び子宮頸がんの予防に関する正しい知識の普及、相談体制等の整備を行うこと
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
高知県議会議長溝渕健夫
内閣総理大臣
厚生労働大臣様
しかしながら、私立高等学校等の経営は、従来に例を見ない厳しい状況に直面しており、少子化による生徒等数の大幅な減少等は、私立高等学校等の存続をも大きく揺るがしている。
公教育の将来を考えるとき、公私相まっての教育体制が維持されてこそ、健全な発展が可能となり、個性化、多様化という時代の要請にもこたえうるものである。
そのためには、私立学校振興助成法第1条に規定するとおり、教育条件の維持向上と保護者の経済的負担の軽減を図るとともに、私立高等学校等の経営の健全性を高めていくことが強く求められている。
よって、国におかれては、私立高等学校等教育の重要性を認識され、教育基本法第8条及び教育振興基本計画の趣旨にのっとり、現行の私学助成に係る国庫補助制度を堅持され一層の充実を図られるよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
高知県議会議長溝渕健夫
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
文部科学大臣様
しかしながら、離島を抱える沖縄県や、山間部の多い岩手県では普及率が70%未満となっており、ビルの陰などで電波が届きにくい施設の対策は達成率が約48%となっている。さらに、共同アンテナ改修が必要なマンションなど210万施設への対応も約77%にとどまっている。
地上デジタル化まで1年を切り、完全移行までのプロセスが最終段階に入った今、国民生活に直接影響を与える問題だけに、円滑に移行を進めるためには、現在指摘されている諸課題に対して政府を挙げて対応策を打つことが必要である。
一方、現在残存するアナログテレビは推定約3,500万台といわれ、これらは来年7月の地デジ完全移行で大量の"廃棄物"となることから、不法投棄の懸念も指摘されている。不要テレビの処分に関する対策も検討されるべきである。
廃棄物の処分については、特に自治体の取り組みが不可欠であり、政府は自治体の取り組みをサポートすべきである。
よって、国におかれては、完全地デジ化に向けて移行が円滑に進むよう、次の取り組みについて必要な予算を確保するとともに、施策の実施を強く要請する。
1離島、山間地域ほか普及率が低い地域に対して地デジ移行の啓発活動を重点的に推進し、デジサポ(総務省テレビ受信者支援センター、現在全国52カ所)の相談窓口をさらに増やすこと。
2地デジに関する個別相談会を自治体でもきめ細かく実施できるよう、予算措置などの支援策を十分に講じること。
3地デジに対応していない集合住宅に対するアンテナ設置や施設内配線の支援策の着実な履行と、ビル陰世帯についても確実な移行策を推進すること。
4大量のアナログテレビが一斉に廃品になるため、懸念されている不法投棄の防止策及び円滑なリサイクル回収を着実に推進すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
高知県議会議長溝渕健夫
内閣総理大臣
総務大臣
経済産業大臣
環境大臣様
こうした取り組みが全国的に広がることで、CO2の吸収源としての森林資源である国産木材の利用を促進し、めぐって森林・林業の活性化につながるのである。
京都議定書の達成、2020年における1990年比25%の温室効果ガス削減などは、現政権が強力に取り組んでいかなければならない課題であることは言うまでもない。
さらに、木材自給率を近い将来に、50%まで引き上げようとする構想は、森林資源を有する地方にとっては、新たな産業や雇用を生むものとして大きな期待が寄せられている。
こうした折、地元産材のエコ住宅への積極的な取り組みを強化している自治体に対して新たな制度を設けて支援することは、省エネや地球環境に配慮する国民的運動に深化することも期待され、温暖化防止と同時に地域経済の活性化に大きく貢献できることになる。
よって、国におかれては、国産材の需要促進と供給体制の確立、さらには環境配慮型住宅の促進等の、CO2を長期間にわたって固定する木造エコ住宅の普及に係る施策の拡充を強く求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
高知県議会議長溝渕健夫
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
農林水産大臣
経済産業大臣
国土交通大臣
環境大臣様
しかしながら、高速道路の無料化や受益者負担を基本としない安価な料金設定は、JRやフェリー、バス等との適切な役割分担を損ねるばかりでなく、我が国の交通体系の崩壊につながりかねない。これらの業界にとっては、高速道路等の無料化や安価な料金設定が経営悪化を招き、地域の交通網が縮小することとなり、その結果、自家用車を利用できない高齢者や障害者、学生等の交通弱者の移動手段が確保できなくなるおそれがある。さらには、地球温暖化対策にも完全に逆行するものであり、その整合性については大いに疑義がある。
このように多くの問題を抱えているにもかかわらず、政府は、今後も高速道路等の無料化を段階的に進めるとしているが、この政策が国策によることを考えれば、本来、総合的な交通体系の構築を前提とすべきであり、現政権が今回進めている道路政策によって影響を受けるJRやフェリー、バス等の公共交通機関に対しては、その維持・存続のために公的支援策を同時に講じるべきである。
よって、国におかれては、平成23年度予算編成において公共交通機関への支援を含む総合的な交通体系の構築に向け、次の事項を実施されるよう強く要望する。
1公共交通機関の安定的な運営と高速道路等の料金引き下げなどが可能となる総合的な交通体系の構築を図ること。
2高速道路等と競合し影響を受けるJRやフェリー、バス等の公共交通機関に対しては、事業者の実情を踏まえた支援を講じること。
3独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構の持つ利益剰余金については、国庫に返納させることなく、JR四国を初めとするいわゆるJR北海道・四国・九州各社及びJR貨物の財務基盤の安定化や収益基盤の強化のため有効活用できるようにすること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
高知県議会議長溝渕健夫
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
国土交通大臣様
近年、北海道を初め他県においても、スキー場、ゴルフ場、温泉施設などへ外国資本が進出しており、このような投資による土地所有が無制限に拡大するようなことになれば、日本国民の安全保障や国土保全の視点から国家基盤を揺るがす問題に発展しかねないとの危惧がある。
また、我が国にとって重要な水資源をはぐくんでいる森林の売買や所有に関しては、国土利用計画法や地方税法等に基づく届け出等によりその情報が管理されているものの、本来の目的以外の利用が厳しく制限されており、森林法に基づく地域森林計画の策定等に活用できないなど、適切な森林整備や資源管理を進める上で大きな課題となっている。加えて、今後、河川の上流域などの水源地域において、地元の合意がないまま森林売買が増加していけば、森林の適切な管理が一層困難となり、水資源の保全や良好な環境づくりに大きな影響を及ぼすことが懸念される。
このようなことから、我が国における現行の土地制限については、近年急速に進行している世界規模での国土や水資源の争奪に対して無力であると言わざるを得ない。よって、国におかれては、日本国民の共有の資産である国土保全の観点から、外国資本等による土地の売買や適切な管理体制を構築するための法整備に取り組むよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
高知県議会議長溝渕健夫
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
農林水産大臣
国土交通大臣
内閣官房長官
国家戦略担当大臣様
しかしながら、政府は現下の経済危機に際し、十分な対策を打ち出さず、地方経済は一層冷え込むおそれがある。今年度においても、地方負担が盛り込まれた子ども手当についても、来年度予算編成の概算要求で金額を示さず要求する「事項要求」となるなど、来年度予算編成に当たっては、さらなる地方負担の増大が懸念される。
よって、国におかれては、次の項目を早急に実現し、住民に基本的な行政サービスが提供できるよう、地方財政の充実に努めるよう強く求める。
1地方公共団体が地域の実情に応じたきめ細やかな事業の実施や雇用の創出に活用できる交付金を早急に実施すること。
2地方一般財源の充実・強化を図るため、地方消費税の充実、地方交付税の法定率の見直し、地方法人課税のあり方の見直しによる地域間税源の偏在是正などに取り組むこと。
3補助金制度のあり方については、社会保障、義務教育など住民への基本的な行政サービスを提供する上で、現在ある補助金制度が必要不可欠であることを認識し、地方の行政サービスが著しく低下することのないよう、十分な財源を確保すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
高知県議会議長溝渕健夫
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
内閣官房長官
国家戦略担当大臣様
しかしながら、政府は平成23年度予算について、各省の予算を一律1割削減の方針を打ち出していることから、公共事業予算が来年度以降も削減されるのではないかといった懸念がある。
国土交通省の来年度予算概算要求は今年度と同額の予算要求をしているが、深刻な不況に苦しむ地域経済・雇用を守るためには、これ以上の削減は到底認められるものではない。むしろ深刻な不況から一刻も早く抜け出すために、即効性のある事業を前倒しで行うなど、景気を刺激する政策を速やかに打ち出すべきである。
よって、国におかれては、地域経済の活性化に向けて次の政策を速やかに実行するよう求める。
1デフレ脱却に向けて政府が毅然たる意志を示し、日本銀行との連携を図りながら新たな経済対策を図ること。
2将来性ある農地集積事業、スクールニューディール、地域医療などの事業に集中的に投資し、企業による雇用や設備投資を促進すること。
3来年度予算における公共事業費を維持・拡充し、地域経済・雇用の下支えをすること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
高知県議会議長溝渕健夫
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
経済産業大臣
国土交通大臣
内閣官房長官
国家戦略担当大臣様
事件の 番号 |
件名 | 議決結果 | 議決 年月日 |
請 第1号 |
高知県立図書館の新館建設の請願について | 不採択 | H22.10.14 |
請 第2号 |
公共工事における賃金確保法(公契約法)の条例制定など建設労働者の安定した賃金確保の基準づくりについて | 継続審査 | 〃 |
意見書
可決された意見書
公共投資の推進による景気対策を求める意見書
我が国の景気の現状は、好調な輸出を背景に、リーマンショック後の最悪期は脱することができた。しかしながら、依然として低成長にとどまっており、雇用情勢も新卒未就職者が数多く出るほど厳しい状況が続いている。特に地方経済は深刻で、中小・零細企業は、デフレの影響や公共投資の大幅削減の影響で長引く不況にあえいでいる。したがって、政府は当面の景気回復のための経済対策を打つべきであり、特に地方経済の振興は国の景気対策として欠かせないものである。そのためには、政府が地方振興策及び地方の雇用拡充を重要な施策として取り組み、必要な公共投資を積極的に行うことで、景気対策を進めるべきである。
公共施設の耐震化や、近年多発している「ゲリラ豪雨」などの災害対策は、必要な公共事業として潜在的需要が高いと考える。
このように、必要な公共投資は着実に推進すべきであり、地方経済が活性化する効果も大いに見込めるものである。
よって、国におかれては、地方の雇用拡充と内需振興を図る景気対策のために、真に必要とされる次のような公共投資について、予算確保と執行を強く求める。
1学校など公共施設の耐震化に積極的に取り組み、雇用の拡充と地方経済の活性化を図ること。
2太陽光発電の設置や、介護施設の拡充といった公共投資を着実に促進し、内需の振興を図ること。
3老朽化した施設(橋梁、トンネル、上下水道管など)の計画的な更新・大規模修繕を積極的に推進し、地域生活の安全と地方振興に取り組むこと。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
高知県議会議長溝渕健夫
内閣総理大臣
文部科学大臣
厚生労働大臣
経済産業大臣
国土交通大臣様
尖閣諸島沖における中国漁船衝突事件に関する意見書
9月7日、尖閣諸島沖の日本領海内で中国漁船衝突事件が発生し、那覇地方検察庁は9月24日、公務執行妨害容疑で逮捕された中国人船長を処分保留のまま釈放した。「尖閣諸島は日本固有の領土で領有権の問題は存在しない」というのが政府の見解である。過去の経緯を見ても中国や台湾が領有権について独自の主張を行うようになったのは、1970年以降であり、それ以前はどの国も異義を唱えたことはなかった。
しかし今回、中国人船長が逮捕されると、閣僚級以上の交流停止や国連総会での日中首脳会談の見送り、そして日本人4人の身柄を拘束するなどの対抗措置をとり、中国人観光客の訪日中止など日本の各種産業にも悪影響が出ている状況にある。
このような流れの中で、船長を釈放したことは「中国の圧力に屈した」との印象を与え、今後同様の事件に関しては、国内法に基づいて厳正に対処していく姿勢を貫かなければならない。また、このような結果は、国際社会にも誤ったメッセージを与えきわめて遺憾である。
よって、国におかれては、次の事項を実現し、毅然とした外交姿勢を確立されることを求める。
1「尖閣諸島は日本の固有の領土である」との態度を明確に中国及び諸外国に示し、今後同様の事件が起こった際は、国内法に基づき厳正に対処すること。
2海上保安庁が撮影した衝突時のビデオの公表を含め、事実関係の解明に努めること。
3政府は、検察当局の判断も含め、臨時国会の場で国民に対し説明責任を果たすこと。
4中国からの謝罪要求や賠償請求には応じず、日本が被った損害を請求すること。
5尖閣諸島の警備体制を充実・強化すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
高知県議会議長溝渕健夫
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
法務大臣
外務大臣
国土交通大臣
内閣官房長官様
子宮頸がんの予防措置実施の推進を求める意見書
HPV(ヒトパピローマウイルス)感染が主な原因である子宮頸がんは、「予防できる唯一のがん」と言われている。年間8,000人が新たに罹患し、約2,500人が亡くなっていると推計されているが、近年、若年化傾向にあり、死亡率も高くなっている。結婚前、妊娠前の罹患は女性の人生設計を大きく変えてしまいかねず、子宮頸がんの予防対策が強く望まれている。子宮頸がんの予防対策としては、予防ワクチンを接種すること、及び予防検診(細胞診・HPV検査)によってHPV感染の有無を定期的に検査し、前がん病変を早期に発見することが挙げられる。
昨年、子宮頸がん予防ワクチンが承認・発売開始となり、ワクチン接種が可能になった。費用が高額なため、一部の自治体ではワクチン接種への公費助成を行なっているが、居住地により接種機会に格差が生じることがないよう国の取り組みが望まれる。予防検診の実施についても同様に、自治体任せにするのではなく、受診機会を均てん化すべきである。
よって、国におかれては、子宮頸がんがワクチン接種と予防検診により発症を防ぐことが可能であることを十分に認識し、次の項目について実施されるよう強く要望する。
1急いで予防接種法に位置づけること
(1)予防接種費用については国が負担すること
(2)対象者については年齢を問わず予防効果の高い者に接種できるようにすること
(3)ワクチンの安定供給の確保及び新型ワクチンの開発に関する研究を行うこと
2子宮頸がん予防検診の内容を見直すこと
がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針を見直しHPV検査を追加するとともに有効ながん検診を実施すること
3子宮頸がん及び子宮頸がんの予防に関する正しい知識の普及、相談体制等の整備を行うこと
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
高知県議会議長溝渕健夫
内閣総理大臣
厚生労働大臣様
私学助成金の堅持及び充実強化に関する意見書
私立高等学校等(高等学校、中等教育学校、中学校、小学校及び幼稚園)は、建学の精神に立脚し、新しい時代に対応した特色のある教育を展開し、公教育の発展に大きな役割を果たしている。しかしながら、私立高等学校等の経営は、従来に例を見ない厳しい状況に直面しており、少子化による生徒等数の大幅な減少等は、私立高等学校等の存続をも大きく揺るがしている。
公教育の将来を考えるとき、公私相まっての教育体制が維持されてこそ、健全な発展が可能となり、個性化、多様化という時代の要請にもこたえうるものである。
そのためには、私立学校振興助成法第1条に規定するとおり、教育条件の維持向上と保護者の経済的負担の軽減を図るとともに、私立高等学校等の経営の健全性を高めていくことが強く求められている。
よって、国におかれては、私立高等学校等教育の重要性を認識され、教育基本法第8条及び教育振興基本計画の趣旨にのっとり、現行の私学助成に係る国庫補助制度を堅持され一層の充実を図られるよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
高知県議会議長溝渕健夫
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
文部科学大臣様
完全な地上デジタル化放送の実施に向けて円滑な移行策を求める意見書
来年(2011年)7月24日をもってアナログ放送を終了、完全に地上デジタル放送に移行することが予定されている。総務省の調査では、2010年3月時点で地デジの世帯普及率が83.8%と発表された。しかしながら、離島を抱える沖縄県や、山間部の多い岩手県では普及率が70%未満となっており、ビルの陰などで電波が届きにくい施設の対策は達成率が約48%となっている。さらに、共同アンテナ改修が必要なマンションなど210万施設への対応も約77%にとどまっている。
地上デジタル化まで1年を切り、完全移行までのプロセスが最終段階に入った今、国民生活に直接影響を与える問題だけに、円滑に移行を進めるためには、現在指摘されている諸課題に対して政府を挙げて対応策を打つことが必要である。
一方、現在残存するアナログテレビは推定約3,500万台といわれ、これらは来年7月の地デジ完全移行で大量の"廃棄物"となることから、不法投棄の懸念も指摘されている。不要テレビの処分に関する対策も検討されるべきである。
廃棄物の処分については、特に自治体の取り組みが不可欠であり、政府は自治体の取り組みをサポートすべきである。
よって、国におかれては、完全地デジ化に向けて移行が円滑に進むよう、次の取り組みについて必要な予算を確保するとともに、施策の実施を強く要請する。
1離島、山間地域ほか普及率が低い地域に対して地デジ移行の啓発活動を重点的に推進し、デジサポ(総務省テレビ受信者支援センター、現在全国52カ所)の相談窓口をさらに増やすこと。
2地デジに関する個別相談会を自治体でもきめ細かく実施できるよう、予算措置などの支援策を十分に講じること。
3地デジに対応していない集合住宅に対するアンテナ設置や施設内配線の支援策の着実な履行と、ビル陰世帯についても確実な移行策を推進すること。
4大量のアナログテレビが一斉に廃品になるため、懸念されている不法投棄の防止策及び円滑なリサイクル回収を着実に推進すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
高知県議会議長溝渕健夫
内閣総理大臣
総務大臣
経済産業大臣
環境大臣様
国産材の利用拡大と環境問題に寄与するエコ住宅政策の拡充を求める意見書
地域経済を活性化し、あわせて環境問題に積極的に取り組もうとしている地方自治体では、省エネや環境に配慮したエコ住宅の普及に向けた独自の対策を実施している。地元産の木材を使ったモデル住宅の開発や展示、県産材を使った住宅のCO2の固定量を認証する取り組みなど、さまざまな知恵を絞っている。こうした取り組みが全国的に広がることで、CO2の吸収源としての森林資源である国産木材の利用を促進し、めぐって森林・林業の活性化につながるのである。
京都議定書の達成、2020年における1990年比25%の温室効果ガス削減などは、現政権が強力に取り組んでいかなければならない課題であることは言うまでもない。
さらに、木材自給率を近い将来に、50%まで引き上げようとする構想は、森林資源を有する地方にとっては、新たな産業や雇用を生むものとして大きな期待が寄せられている。
こうした折、地元産材のエコ住宅への積極的な取り組みを強化している自治体に対して新たな制度を設けて支援することは、省エネや地球環境に配慮する国民的運動に深化することも期待され、温暖化防止と同時に地域経済の活性化に大きく貢献できることになる。
よって、国におかれては、国産材の需要促進と供給体制の確立、さらには環境配慮型住宅の促進等の、CO2を長期間にわたって固定する木造エコ住宅の普及に係る施策の拡充を強く求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
高知県議会議長溝渕健夫
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
農林水産大臣
経済産業大臣
国土交通大臣
環境大臣様
公共交通機関への支援を含む総合的な交通体系の構築を求める意見書
政府は、当初、本年6月からの導入を予定していた高速道路等の新料金制度について、二転三転するその足並みの乱れから先送りし、まずは6月28日から来年3月末までの間、全国37路線50区間において、高速道路の無料化の社会実験を開始した。しかしながら、高速道路の無料化や受益者負担を基本としない安価な料金設定は、JRやフェリー、バス等との適切な役割分担を損ねるばかりでなく、我が国の交通体系の崩壊につながりかねない。これらの業界にとっては、高速道路等の無料化や安価な料金設定が経営悪化を招き、地域の交通網が縮小することとなり、その結果、自家用車を利用できない高齢者や障害者、学生等の交通弱者の移動手段が確保できなくなるおそれがある。さらには、地球温暖化対策にも完全に逆行するものであり、その整合性については大いに疑義がある。
このように多くの問題を抱えているにもかかわらず、政府は、今後も高速道路等の無料化を段階的に進めるとしているが、この政策が国策によることを考えれば、本来、総合的な交通体系の構築を前提とすべきであり、現政権が今回進めている道路政策によって影響を受けるJRやフェリー、バス等の公共交通機関に対しては、その維持・存続のために公的支援策を同時に講じるべきである。
よって、国におかれては、平成23年度予算編成において公共交通機関への支援を含む総合的な交通体系の構築に向け、次の事項を実施されるよう強く要望する。
1公共交通機関の安定的な運営と高速道路等の料金引き下げなどが可能となる総合的な交通体系の構築を図ること。
2高速道路等と競合し影響を受けるJRやフェリー、バス等の公共交通機関に対しては、事業者の実情を踏まえた支援を講じること。
3独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構の持つ利益剰余金については、国庫に返納させることなく、JR四国を初めとするいわゆるJR北海道・四国・九州各社及びJR貨物の財務基盤の安定化や収益基盤の強化のため有効活用できるようにすること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
高知県議会議長溝渕健夫
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
国土交通大臣様
外国資本等による土地売買等に関する法整備を求める意見書
我が国においては、大切な国土資源である土地に関して、外国人や外国法人が日本人と同様に土地所有ができることとなっている。一方、他のアジア諸国では、一部の国を除き、外国人や外国法人の土地所有については、地域を限定したり、事前許可制とするなどの制限を課している状況にある。近年、北海道を初め他県においても、スキー場、ゴルフ場、温泉施設などへ外国資本が進出しており、このような投資による土地所有が無制限に拡大するようなことになれば、日本国民の安全保障や国土保全の視点から国家基盤を揺るがす問題に発展しかねないとの危惧がある。
また、我が国にとって重要な水資源をはぐくんでいる森林の売買や所有に関しては、国土利用計画法や地方税法等に基づく届け出等によりその情報が管理されているものの、本来の目的以外の利用が厳しく制限されており、森林法に基づく地域森林計画の策定等に活用できないなど、適切な森林整備や資源管理を進める上で大きな課題となっている。加えて、今後、河川の上流域などの水源地域において、地元の合意がないまま森林売買が増加していけば、森林の適切な管理が一層困難となり、水資源の保全や良好な環境づくりに大きな影響を及ぼすことが懸念される。
このようなことから、我が国における現行の土地制限については、近年急速に進行している世界規模での国土や水資源の争奪に対して無力であると言わざるを得ない。よって、国におかれては、日本国民の共有の資産である国土保全の観点から、外国資本等による土地の売買や適切な管理体制を構築するための法整備に取り組むよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
高知県議会議長溝渕健夫
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
農林水産大臣
国土交通大臣
内閣官房長官
国家戦略担当大臣様
地方財政の充実を求める意見書
急速な円高と長引くデフレにより、地域経済の冷え込みが顕著となっている。わが国経済は、地域経済と雇用対策の活性化が急務であり、地方財政の充実は、住民が必要な行政サービスを維持するために必要不可欠である。しかしながら、政府は現下の経済危機に際し、十分な対策を打ち出さず、地方経済は一層冷え込むおそれがある。今年度においても、地方負担が盛り込まれた子ども手当についても、来年度予算編成の概算要求で金額を示さず要求する「事項要求」となるなど、来年度予算編成に当たっては、さらなる地方負担の増大が懸念される。
よって、国におかれては、次の項目を早急に実現し、住民に基本的な行政サービスが提供できるよう、地方財政の充実に努めるよう強く求める。
1地方公共団体が地域の実情に応じたきめ細やかな事業の実施や雇用の創出に活用できる交付金を早急に実施すること。
2地方一般財源の充実・強化を図るため、地方消費税の充実、地方交付税の法定率の見直し、地方法人課税のあり方の見直しによる地域間税源の偏在是正などに取り組むこと。
3補助金制度のあり方については、社会保障、義務教育など住民への基本的な行政サービスを提供する上で、現在ある補助金制度が必要不可欠であることを認識し、地方の行政サービスが著しく低下することのないよう、十分な財源を確保すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
高知県議会議長溝渕健夫
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
内閣官房長官
国家戦略担当大臣様
新たな経済対策を求める意見書
今般の急速な株価下落と円高は地域経済に深刻な打撃を与えている。特に地域経済は平成21年度第1次補正予算が執行停止され、今年度の公共事業予算も対前年度比マイナス18%となるなど、大幅な予算削減による地域経済の弱体化は顕在化している。しかしながら、政府は平成23年度予算について、各省の予算を一律1割削減の方針を打ち出していることから、公共事業予算が来年度以降も削減されるのではないかといった懸念がある。
国土交通省の来年度予算概算要求は今年度と同額の予算要求をしているが、深刻な不況に苦しむ地域経済・雇用を守るためには、これ以上の削減は到底認められるものではない。むしろ深刻な不況から一刻も早く抜け出すために、即効性のある事業を前倒しで行うなど、景気を刺激する政策を速やかに打ち出すべきである。
よって、国におかれては、地域経済の活性化に向けて次の政策を速やかに実行するよう求める。
1デフレ脱却に向けて政府が毅然たる意志を示し、日本銀行との連携を図りながら新たな経済対策を図ること。
2将来性ある農地集積事業、スクールニューディール、地域医療などの事業に集中的に投資し、企業による雇用や設備投資を促進すること。
3来年度予算における公共事業費を維持・拡充し、地域経済・雇用の下支えをすること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
高知県議会議長溝渕健夫
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
経済産業大臣
国土交通大臣
内閣官房長官
国家戦略担当大臣様