平成20年9月定例会の概要(9月24日(水) - 10月14日(火)会期:21日間)

公開日 2022年07月26日

INDEX

  1. 日程・定例会日程
  2. 議決結果一覧・本会議審議の結果
  3. 意見書・可決された意見書等

日程

定例会日程

9月24日(水) - 10月14日(火)(会期:21日間)

第298回高知県議会(9月)定例会日程
会議 行事 中継
9 24 本会議 開会、議案上程、知事説明ほか  
  25 休会 議案精査  
  26 議案精査  
  27 休日  
  28 休日  
  29 議案精査  
  30 本会議 質疑並びに一般質問
◇質問者◇
森田英二(自由民主党)
上田周五(県政会)
井上自由(県民クラブ)
 
10 1 質疑並びに一般質問
◇質問者◇
米田稔(日本共産党と緑心会)
黒岩正好(公明党)
桑名龍吾(自由民主党)
 
  2 質疑並びに一般質問
◇質問者◇
黒岩直良(県政会)
谷本敏明(日本共産党と緑心会)
元木益樹(自由民主党)
 
  3 休会 予算委員会
◇質問者◇
樋口秀洋(自由民主党)
植田壮一郎(県政会)
坂本茂雄(県民クラブ)
田頭文吾郎(日本共産党と緑心会)
西森雅和(公明党)
清藤真司(南風(みなみかぜ))
沖本年男(西風)
武石利彦(自由民主党)
 
  4 休日  
  5 休日  
  6 常任委員会  
  7 常任委員会  
  8 常任委員会  
  9 常任委員会  
  10 議事整理  
  11 休日  
  12 休日  
  13 休日  
  14 本会議 委員長報告、採決、閉会  

議決結果一覧

1. 議案関係

事件の番号 件名 議決結果 議決年月日
第1号 平成20年度高知県一般会計補正予算 原案可決 H20.10.14
第2号 平成20年度高知県中小企業近代化資金助成事業特別会計補正予算
第3号 平成20年度高知県流域下水道事業特別会計補正予算 継続審査
第4号 平成20年度高知県病院事業会計補正予算 原案可決
第5号 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の施行に伴う関係条例の整備に関する条例議案
第6号 高知県行政手続条例の一部を改正する条例議案
第7号 高知県税条例の一部を改正する条例議案
第8号 高知県手数料徴収条例の一部を改正する条例議案
第9号 高知県クリーニング業法施行条例の一部を改正する条例議案
第10号 高知県卸売市場条例の一部を改正する条例議案
第11号 高知県警察の設置及び定員に関する条例の一部を改正する条例議案
第12号 公立大学法人高知工科大学定款に関する議案
第13号 高知県立県民文化ホールの指定管理者の指定に関する議案
第14号 高知県立歴史民俗資料館の指定管理者の指定に関する議案
第15号 高知県立美術館の指定管理者の指定に関する議案
第16号 高知県立文学館の指定管理者の指定に関する議案
第17号 負担付きの寄附の受納に関する議案
第18号 県有財産の出資に関する議案
第19号 国道441号道路改築(網代トンネル第1工区)工事請負契約の締結に関する議案
第20号 県道中平檮原線地方道路交付金(初瀬トンネル)工事請負契約の締結に関する議案
第21号 土讃線高知駅付近連続立体交差事業に係る工事委託に関する契約の一部を変更する契約の締結に関する議案
第22号 中村警察署庁舎新築主体工事請負契約の一部を変更する契約の締結に関する議案
第23号 損害賠償の額の決定に関する議案
報第1号 平成19年度高知県一般会計歳入歳出決算 継続審査 H20.10.2
報第2号 平成19年度高知県給与等集中管理特別会計歳入歳出決算
報第3号 平成19年度高知県旅費集中管理特別会計歳入歳出決算
報第4号 平成19年度高知県用品等調達特別会計歳入歳出決算
報第5号 平成19年度高知県県債管理特別会計歳入歳出決算
報第6号 平成19年度高知県土地取得事業特別会計歳入歳出決算
報第7号 平成19年度高知県災害救助基金特別会計歳入歳出決算
報第8号 平成19年度高知県母子寡婦福祉資金特別会計歳入歳出決算
報第9号 平成19年度高知県中小企業近代化資金助成事業特別会計歳入歳出決算
報第10号 平成19年度高知県流通団地及び工業団地造成事業特別会計歳入歳出決算
報第11号 平成19年度高知県農業改良資金助成事業特別会計歳入歳出決算
報第12号 平成19年度高知県県営林事業特別会計歳入歳出決算
報第13号 平成19年度高知県林業・木材産業改善資金助成事業特別会計歳入歳出決算
報第14号 平成19年度高知県沿岸漁業改善資金助成事業特別会計歳入歳出決算
報第15号 平成19年度高知県流域下水道事業特別会計歳入歳出決算
報第16号 平成19年度高知県港湾整備事業特別会計歳入歳出決算
報第17号 平成19年度高知県高等学校等奨学金特別会計歳入歳出決算
報第18号 平成19年度高知県会計事務集中管理特別会計歳入歳出決算
報第19号 平成20年度高知県病院事業会計補正予算の専決処分報告 承認 H20.10.14
報第20号 損害賠償の額の決定の専決処分報告
297
報第4号
平成19年度高知県電気事業会計決算 認定
297
報第5号
平成19年度高知県工業用水道事業会計決算
297
報第6号
平成19年度高知県病院事業会計決算
議発
第1号
議員を派遣することについて議会の決定を求める議案 原案可決 H20.10.2
議発
第2号
高知県議会会議規則の一部を改正する規則議案 H20.10.14
議発
第3号
高知県議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例議案
議発
第4号
「国立室戸青少年自然の家」の存続に関する意見書議案
議発
第5号
学校耐震化に関する意見書議案
議発
第6号
障害者自立支援法の抜本的改正を求める意見書議案
議発
第7号
生活品の物価高騰に対する緊急対策を求める意見書議案
議発
第8号
危険な気候を回避するために「気候保護法」の制定を求める意見書議案
議発
第9号
太陽光発電システムのさらなる普及促進を求める意見書議案
議発
第10号
私学助成制度の堅持及び充実強化に関する意見書議案
議発
第11号
平成21年度税制改正等における地方税財源の充実強化を求める意見書議案
議発
第12号
幼保一元化の推進と認定こども園に対する国の支援を求める意見書議案
議発
第13号
緊急の経済対策と生活者支援対策を早期に求める意見書議案
議発
第14号
道路財源の「一般財源化」に関する意見書議案
議発
第15号
ミニマム・アクセス米による「事故米」の食用転用・不正流通の真相究明と再発防止対策強化を求める意見書議案 否決
議発
第16号
事故米(汚染米)の一般流通を見逃してきた農林水産行政の猛省を求め、再発防止を強く求める意見書議案 原案可決
議発
第17号
原子力空母など米海軍原子力艦船の安全性の確立を求める意見書議案 否決
議発
第18号
貧困の連鎖を断ち切り、住民生活の底上げを求める意見書議案
議発
第19号
平成20年度高知県一般会計補正予算中「県立大学整備費」及び債務負担行為補正「県立大学整備事業費」に対する附帯決議議案

2. 請願関係

事件の番号 件名 議決結果 議決年月日
請第2号 三里交番の移転に関する請願について 採択 H20.10.14
請第3号 「土佐海援丸」代船建造の早期実現に関する請願について

意見書

可決された意見書

「国立室戸青少年自然の家」の存続に関する意見書

平成19年12月24日に閣議決定された「独立行政法人整理合理化計画」は、「国立室戸青少年自然の家」の廃止につながるものと大変憂慮している。
同計画では、「独立行政法人国立青少年教育振興機構」について、運営の効率化及び自律化の方向が示され、経済合理性を考慮の上、稼働率などの面から廃止、統合を検討するとされている。
「国立室戸青少年自然の家」は、昭和50年に全国最初の少年自然の家として設置され、これまでに100万人を超える青少年等が利用し、その立地条件を生かした海洋型青少年教育施設として、先導的・モデル的な事業を展開してきた。また広域的施設として、利用者数も増加し、年間延べ9万人の研修生を受け入れている。
しかし、廃止・統合を回避する基準となる稼働率5割の達成については、地元市や関係者がさまざまな努力をしているものの、少子化の進展や、地理的条件などから、今しばらくの猶予が必要である。
人口も少なく、経済力に乏しい本県では、子供たちの将来に資するべき基幹となる社会教育施設が乏しく、また、基礎学力の定着や不登校等の教育課題、あるいは基本的生活習慣の確立や青少年の社会的自立のおくれ等が指摘される現状では、次代を担う青少年の健全育成は県挙げての課題であり、その根幹をなす体験活動の充実は、県民すべての願いである。
よって、国におかれては、経済的な合理性などの画一的な見地から国立青少年教育施設の廃止、統合を検討することなく、むしろ、全国的に教育の機会均等を保証するとの観点から、本県及び四国の青少年にとって貴重な学校外での集団・自然体験活動の場としての「国立室戸青少年自然の家」を存続されるよう強く要請する。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

高知県議会議長西森潮三

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
文部科学大臣
行政改革担当大臣様

学校耐震化に関する意見書

学校施設の耐震化については、さきの国会で「地震防災対策特別措置法改正案」が成立し、国の緊急措置が大幅に改善されたところである。
各地方自治体においても、積極的な取り組みが始まっているが、あわせて各地方自治体の厳しい財政状況の中で、苦慮している実態も事実である。
よって、国におかれては、今回の緊急措置にあわせて、次の対策を講じられるよう強く要望する。

1地震災害が続く中で、児童生徒の安全を確保するため、すべての公立学校の耐震化を実施するための所要の予算を確保すること。
2地方自治体の財政状況などを勘案の上、時限措置の延長を検討すること。
3補助率のかさ上げが行われたが、実際の工事単価との格差により地方自治体負担が増嵩している実態も見られるため、改築や新増築などに当たっても、補助単価の補正ルールなどの設定を行い、きめ細かな対策を講じること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

高知県議会議長西森潮三

内閣総理大臣
財務大臣
文部科学大臣
防災担当大臣様

障害者自立支援法の抜本的改正を求める意見書

障害者自立支援法が一昨年4月に施行され、障がい者の就労支援が位置づけられるとともに、介護給付・訓練等給付などに対する原則1割の応益負担と施設入所にかかる食費等について実費負担が導入された。
この制度は、障がいのある方が自立した日常生活や社会生活を営むことができるよう、福祉サービスや就労支援サービスなど必要な支援を行うとともに、これら障がい者福祉サービスの費用を社会全体で支え合うことが趣旨とされている。
しかし原則1割の応益負担の導入については、収入状況に応じて月額負担の上限額の設定や各種の軽減措置がとられてはいるものの、利用者負担が従前と比べ大幅に増加するという事態を招くこととなった。また施設運営においても、一定の激変緩和策がとられてはいるものの、日額報酬単価払い方式へと変更されたことにより、運営費の大幅な減収が生じることとなり、関係者から改善を求める要望が出されている。
そのため昨年4月の特別対策及び08年予算での緊急対策がとられたものの根本的な解決とはなっていない。見直しの時期を来年に控え、障害者自立支援法のあり方が検討されている現在、障がい者や施設運営の安定に対する抜本策を講じるべきである。
よって、国におかれては、障害者自立支援法の見直しと拡充に向け、次の事項を講ずるよう強く求める。

1利用者負担について、原則1割負担となる応益負担を撤廃し、応能負担とすること。
2施設・事業所への報酬単価を引き上げるとともに、日額払い方式を月額払い方式に改めること。
3地域生活支援事業について、地方自治体が積極的に施策展開を行えるよう、必要かつ十分な財政支援措置を講ずること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

高知県議会議長西森潮三

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
厚生労働大臣様

生活品の物価高騰に対する緊急対策を求める意見書

原油や食料品の価格の高騰が続き、国民、勤労者の生活を直撃している。
日本の景気はさらに減速しているという見方も増え、特に生活困窮層にあっては「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」が保障されなくなるおそれがある。
これまでの景気回復下において、国と地方の格差は拡大し、地域経済は疲弊している。賃金が低下する中、物価高騰による購買力の低下は、住民の生活を圧迫させ、さらなる地域経済の悪化や地方行政運営に深刻な影響を与えることが懸念される。
よって、国におかれては、次の事項を実現するよう強く求める。

1原油や食料の高騰に伴う実質所得低下を緩和するため、中低所得者層を中心とする所得税減税や生活困窮者に対する給付金の実施、生活扶助基準に対する物価上昇分の上乗せを行うこと。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

高知県議会議長西森潮三

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
厚生労働大臣様

危険な気候を回避するために「気候保護法」の制定を求める意見書

今年2008年、京都議定書の第一約束期間が始まったが、わが国の対策は遅々として進まず、二酸化炭素を中心とする温室効果ガスの排出量は依然として増え続けている。
一方、年々、気候変動による悪影響が世界各地で顕著になっており、このままでは将来世代に安全・安心な地球環境を引き継げず、私たち自身の生活の安全や経済活動の基盤にも深刻な影響が及びかねない状況にある。
このような中、ことし7月に開催された洞爺湖サミットでは、2050年までに温室効果ガスを半減する必要があることが合意された。そのため先進国は、2007年のバリ合意に沿って、率先して大幅な削減を実現しなければならない。
とりわけ日本は、今後、気候の安定化のために世界各国と協調した温暖化防止対策を実践することが重要となるのであり、温室効果ガス削減の中・長期的削減目標を設定し、その目標を達成するための施策を包括的・統合的に導入・策定し、実施していく必要がある。
その具体策として、日本が責任をもって対応するためには、まずは京都議定書の6%削減目標を守り、2020年には1990年比30%、2050年には1990年比80%といった大幅な排出削減経路を法律で掲げることが必要である。
また、排出削減の実効性を担保するための制度として、炭素税やキャップ&トレード型の排出量取引等の制度を導入することで炭素に価格をつけ、脱温暖化の経済社会を構築し、再生可能エネルギーの導入にインセンティブとなるような固定価格買取制度などを実現するべきである。
よって、国におかれては、上記の内容の実現を約束する法律を制定するよう強く要請する。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

高知県議会議長西森潮三

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
外務大臣
経済産業大臣
国土交通大臣
環境大臣様

太陽光発電システムのさらなる普及促進を求める意見書

今年7月に開催された洞爺湖サミットでは、地球温暖化防止問題が主要テーマとして議論され、議長国であるわが国においても、2050年に温室効果ガスの総排出量を60%~80%削減するという積極的な目標を掲げたところである。
二酸化炭素などの温室効果ガスを生み出す原因としては、石炭や石油、天然ガスなど化石燃料の燃焼が挙げられ、その根本的な解決のためには、化石燃料によらない新エネルギーを確保することが求められている。
その新エネルギーの中でも、太陽光発電については、天然資源に乏しいわが国において広く普及が可能なエネルギーとして注目を集め、その導入量は2006年末で170.9万kWであり、ドイツ、米国などとともに世界をリードしてきた経緯がある。
しかしながら、この大量普及時代に突入する時期を同じくして、太陽電池モジュール(パネル)の逼迫や国の住宅用導入支援制度が終了した影響などから、国内導入量が一転して前年比マイナスの状況に陥り、技術革新や量産効果などにより低下していた太陽光発電設備の設置単価が2006年からは上昇に転じる結果となった。
こうした事態の打開に向けて、福田総理は「経済財政改革の基本方針2008」や地球温暖化対策の方針「福田ビジョン」において、「太陽光発電については、世界一の座を再び獲得することを目指し、2020年までに10倍、2030年に40倍を導入量の目標とする」と、目標を示したところである。
「環境立国」を掲げるわが国が、太陽光発電世界一の座を奪還するためには、エネルギー導入量増加に向け、総理のリーダーシップのもと政府・各省が連携を緊密にとりつつ、具体的には、「住宅分野」、「大規模電力供給用に向けたメガソーラー分野」、「さらなるコスト削減に向けた技術開発分野」、「普及促進のための情報発信・啓発分野」――の各分野に対して支援策を打ち出す必要があると考える。
よって、国におかれては、太陽光発電システムのさらなる普及促進に向け、次の項目を実現するよう強く要望する。

1国による住宅用太陽光発電導入促進対策費補助金補助事業制度の再導入並びに同事業予算の拡充
2分譲集合住宅の購入者を対象とする太陽光発電システム取得控除制度の導入や賃貸住宅オーナーの固定資産税の減税措置など集合住宅用の太陽光発電システム導入支援策の推進
3国主導による大規模太陽光発電システムの本格的導入並びにそのための制度整備
4導入コスト低減に関わる技術開発促進策の推進
5太陽光発電システムの普及促進のための情報発信・啓発活動の推進

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

高知県議会議長西森潮三

内閣総理大臣
経済産業大臣
環境大臣様

私学助成制度の堅持及び充実強化に関する意見書

私立高等学校等(高等学校、中等教育学校、中学校、小学校及び幼稚園)は、建学の精神に立脚し、新しい時代に対応した特色ある教育を展開し、公教育の発展に大きな役割を果たしている。
しかしながら、私立高等学校等の経営は、従来に例を見ない厳しい状況に直面しており、少子化による生徒等数の大幅な減少等は、私立高等学校等の存続をも大きく揺るがしている。
公教育の将来を考えるとき、公私相まっての教育体制が維持されてこそ、健全な発展が可能となり、個性化、多様化という時代の要請にもこたえうるものである。
そのためには、私立学校振興助成法第1条に規定するとおり、教育条件の維持向上と保護者の経済的負担の軽減を図るとともに、私立高等学校等の経営の健全性を高めていくことが強く求められている。
よって、国におかれては、私立高等学校等教育の重要性を認識され、教育基本法第8条及び教育振興基本計画の趣旨にのっとり、現行の私学助成に係る国庫補助制度を堅持され一層の充実を図られるよう強く要望する。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

高知県議会議長西森潮三


衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
文部科学大臣様

平成21年度税制改正等における地方税財源の充実強化を求める意見書

昨年取りまとめられた「平成20年度与党税制改正大綱」や、累次の「骨太方針」においては、消費税を含む税体系の抜本的改革の早期実現を図るとされ、その際、地方消費税の充実等に取り組むとともに、偏在性の小さい地方税体系の構築など、地域間の財政力格差の是正を進める方針を明確にしている。
こうした中、国政においては、新政権が誕生し、政局が大きな変動を見せているが、これに伴い、さまざまな政策について、そのあり方から議論されることが予想される。
他方、地方公共団体は、内政の大部分を担う主体として、厳しい財政状況を抱えながらも、低迷する地域経済や県民所得の向上、少子高齢化への対応、立ちおくれた社会基盤の整備などのため、さまざまな行政サービスの維持確保に努めている。
今後、年末にかけて、平成21年度税制改正や地方財政対策の議論が本格化することとなるが、こうした議論の中では、国の政策により地方公共団体の行政サービスの水準や財政運営にしわ寄せが生じることのないよう十分留意すべきである。
よって、国におかれては、今後の税制改正等に当たって、次の事項に特に配慮するよう強く要望する。

1税制改正により、国税・地方税の軽減措置の新設・拡充・延長を図ることにより、生じることとなる地方税財源の減収分については、国の責任において的確な補てん措置を講ずること。
2地方交付税による財政力格差の是正機能を強化するため、平成20年度に創設された「地方再生対策費」を増額するとともに恒久的なものとするなど、地方公共団体の安定的な財政運営に必要となる地方一般財源の総額の確保を図ること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

高知県議会議長西森潮三

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣様

幼保一元化の推進と認定こども園に対する国の支援を求める意見書

就学前の保育・教育は、人格形成の基礎を培う非常に重要な時期であり、本県では、全国に先駆けて平成15年度から保育所と幼稚園の行政窓口を教育委員会に一元化し、制度の壁を乗り越えながら、保育士と幼稚園教員の合同研修や保育内容の改善など幼保一体的な取り組みを進めている。
国においても、就学前の保育・教育を総合的に推進し、仕事と子育ての両立を支援するため、幼保一元化の制度改革に向けて、本年6月の「地方分権改革推進委員会の第1次勧告」や「骨太の方針2008」などで検討がなされるなど具体的な動きが出てきている。
また、「認定こども園」は、保護者の就労の有無にかかわらず、すべての子供を受け入れ、質の高い保育や教育が提供でき、待機児童の解消や子育て支援の充実など保護者のニーズにも沿った制度であり、さらなる普及促進が必要である。
8月に出された各省庁の来年度予算編成に向けた概算要求で、「認定こども園」への交付金が創設されているものの、「幼保連携型」への移行を前提としており、現場の実情が必ずしも反映されていないため、設置促進が進みにくい。
よって、国におかれては、就学前の保育・教育の充実のため、幼保一元化に向けた制度の抜本的な見直しをさらに進めるとともに、現実を踏まえた認定こども園に対する財政支援や制度改革を進めるよう、次の事項について強く要請する。

1次代を担う人材を育成するために、就学前の保育・教育の質を確保するとともに、仕事と子育ての両立を支援するため、国の所管を一本化し、幼保一元化に向けて、制度の抜本的な見直しを行うこと。
2認定こども園への支援は、「幼保連携型」への移行を前提とするのではなく、すべての類型に対する助成措置を講ずるとともに、事務負担などの軽減化については、単に運用改善だけにとどまることなく、法律改正も含めた見直しを積極的に進めること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

高知県議会議長西森潮三

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
文部科学大臣
厚生労働大臣様

緊急の経済対策と生活者支援対策を早期に求める意見書

ここ数年、基盤整備のおくれている地方の経済状況は、いざなぎ景気を超える景気拡大基調の経済波及効果を享受できず大都市圏との生活格差がますます拡大している。
加えて、最近の原油価格の高騰により石油関連製品を初め、食料などの生活物価までもが大幅に高騰し、地方で暮らす者の生活を大きく圧迫している。
中でも、本県の基幹産業である第1次産業は、農林水産業のすべての分野で燃油の高騰や産業関連資材の大幅値上げの影響を受けて危機的な状況に直面している。
さらに、高齢化社会の到来に伴う老後生活や介護、医療・年金に関する心配、県内に就学の場がないことによる子や孫の将来に関する不安、近い将来に発生すると言われる南海地震への備えなど、まさに先が見えない不安に満ちた中で生活している。
よって、国におかれては、こうした地方の生活者の不安を解消し、生活を支援する意味で、次の事項につき早急な支援対策を実施されるよう求める。また、緊急度が極めて高く、直ちに実行すべきものについては予算や制度改革などの前倒しを行い、早急に取り組むこともあわせて望む。

1地方を活性化させるための、地方再生対策と追加的な景気対策に緊急に取り組むこと。
2年金・医療制度などの地方生活者が安心できる社会保障制度の再構築に向けた基本方針を早急に示すこと。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

高知県議会議長西森潮三

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
厚生労働大臣
経済財政政策担当大臣様

道路財源の「一般財源化」に関する意見書

本年5月13日に「道路特定財源に関する基本方針」が閣議決定され、これまでの道路特定財源を「一般財源化」することが政府の方針として示されたが、地方では、防災対策、通勤・通学、救急医療などの面においても、依然として道路整備が必要であり、また、過去に整備した道路に関する公債費、維持管理費の増大や老朽化した橋梁やトンネルの維持補修など、さらに財源を要する状況である。
道路財源の「一般財源化」を検討するに当たっては、こうした道路整備や維持管理等に支障が生じないよう、必要な財源を確保することが必要と考える。
よって、国におかれては、地方においては、現在の道路特定財源が4割程度にとどまっていることも勘案の上、次の重点事項の取り組みを要請する。

1道路財源の「一般財源化」に当たっては、地方税分及び譲与税分、さらには、交付金、補助金として地方に配分されている財源について、地方枠として維持すること。
2改めて各地方団体に配分する場合の枠組みについては、これまで道路整備がおくれている地域により重点的に配分するよう配慮すること。また、地方の自由度を拡大するような新型交付金などの創設を行うこと。
3本年度の暫定税率の失効等に伴い発生した歳入欠陥等については、全額を地方特例交付金により補てんするなど政府における適切な対策を講じること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

高知県議会議長西森潮三

内閣総理大臣
総務大臣
国土交通大臣様

事故米(汚染米)の一般流通を見逃してきた農林水産行政の猛省を求め、再発防止を強く求める意見書

食の安全・安心や食料自給への関心が高まる中で、今般大変憂慮される問題が起きた。残留農薬やカビ毒で汚染された米が、本来の用途である工業用糊、建築資材等の工業用原料としてではなく、食用として一般流通し、国民が口にする事態が発生したのである。
しかも、再三再四、調査や検査をしたにもかかわらず、見過ごしてきたということで、日本人の食の安全・安心にかかわる農林水産省の責任は重大である。
これは、事故米(汚染米)の大半がミニマム・アクセスで海外から輸入された米であることから、生産国の農薬の種類や使用基準が日本に比べてまだまだ緩いことがその背景にある。さらに、輸入後多くの在庫を抱え、有毒なカビの発生が見られるなど、およそ日本人の食品とならない状況であるにもかかわらず、関係者のモラルハザードと相まって発生した重大な事件である。
よって、国におかれては、今般の事件が日本人の主食である米にかかわるものであることを重く受け止め、農薬汚染米は直ちに輸出国に送り返すことを含め、検査体制や管理体制を早急に見直し、再発防止に向けた取り組みを強く求める。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

高知県議会議長西森潮三

内閣総理大臣
農林水産大臣様

INDEX

  1. 日程・定例会日程
  2. 議決結果一覧・本会議審議の結果
  3. 意見書・可決された意見書等