こうち県議会だよりのマーク 第51号 もくじ
祝 世界ジオパーク認定 室戸ジオパーク   9月定例会トピックス   9月定例会本会議の質問から   9月定例会審議の結果   9月定例会予算委員会の質問から   9月定例会常任委員会委員長報告要旨   常任委員会の動き   特別委員会の動き   お知らせ   年末年始のごあいさつについて
 

9月定例会 常任委員会 委員長報告 要旨

 
総務委員会
 付託を受けた議案は、全会一致をもって可決または承認した。

■高知県教育の日「志・とさ学びの日」について
 委員から、教育の日の取組を単なる行事で終わらせず、今後継続する ための手立てについて質疑があった。
 執行部から、地道な取組を市町村と連携を取って内容を充実させなが ら継続していくとの答弁があった。
 別の委員から、学力といっても様々な指標がある。子どもの成長につ いて前向きに考えられるきっかけとなるような指標を、多様な座標軸で提 供してもらいたいとの要請があった。

■新図書館等の基本設計委託業者の選定結果について
 執行部から、委託業者の募集には複合施設は7企業体から、こども科 学館の展示は3企業体から応募があった。審査は書面による一次審査を 行い、それぞれ5企業体と3企業体を二次審査の対象者とし、ヒアリング による二次審査を実施したうえで業者を選定した。なお、一次審査では 審査項目別に配点を設定したが、二次審査においては、審査項目別の 配点はなく総合的な評価を行ったとの説明があった。
 委員から、審査項目を一つにまとめて評価すると、具体性、客観性に 欠けるので、項目別に審査して積み上げるべきである。プロポーザル方 式は相対的な評価に偏る傾向があるので、それを補うだけの透明性がな いといけないとの指摘があった。
 ほかの委員からも、評価基準が審査委員に徹底されておらず評価にば らつきがあった、また、一次審査の結果が二次審査に目に見える形で反 映されておらず、主観に左右される結果となったのではないかなど、審査 方法の客観性に疑問をもつ多くの質問が出たが、執行部からは総務委 員会として納得のいく答弁が得られなかった。
 さらに、委員から、既に基本設計の契約を締結しているが、6月定例 会の委員長報告における指摘を意識していたのか。定例会後も引き続き、 基本設計についての議論を深め、更に県民の意思を反映させていくため、 設計作業の進捗に応じて必要な報告を求めることを強く申し入れていたが、 議会への報告と業務着手の順序が逆になっているとの指摘があった。
 このような状況を踏まえて、審査の透明性の確保、また委員長報告 の指摘を踏まえた上での執行部の事業の進め方について、更なる検証 が必要であるという結論に達した。
 よって、総務委員会としては、閉会中にこの主な論点について、再 度委員会を開き協議を続けることとした。

基本設計委託業者が提案した新図書館イメージ図
文化厚生委員会
 付託を受けた議案は、全会一致をもって可決した。

■地震防災総合対策事業費について
 執行部から、県内各地の古文書や史跡などに残る過去に発生した最 大規模の地震・津波の痕跡を調査するための経費であるとの説明があ った。
 委員から、調査はどのような方法で行うのかとの質疑があった。
 執行部からは、主に古文書や史跡などの現地調査を行った後に解析 を行うとの答弁があった。あわせて、来年度実施予定のボーリング調査 の候補地点の選定も行うとの説明があった。

■地域地震防災対策事業費について
 執行部から、市町村が行う津波避難タワーの設置、避難経路、避難 場所の整備などのための経費を補助するものであるとの説明があった。  委員から、周辺に避難する場所がない地域に人工の山などを整備しよ うとする場合、対応する考えはあるのかとの質疑があった。
 執行部からは、津波避難計画の中で、人工地盤などの整備の必要 性についても検討していきたいとの答弁があった。

■地域医療再生事業費について
 執行部から、高知大学医学部に設置する地域医療支援センターの運 営のための委託経費であるとの説明があった。
 委員から、地域医療支援センターに委託する業務は高知医療再生機 構ではできないのかとの質疑があった。
 執行部からは、地域医療支援センターは、今まで高知医療再生機構 が行っていない地域枠の医学生の人事調整などの新たな役割を担うこと から、実際に医学教育を行い、県内の主な医療機関に人材を輩出して いる高知大学医学部に設置し、県や高知医療再生機構と連携して進め ていくことが適当と判断したとの答弁があった。

■介護基盤緊急整備等対策事業費について
 執行部から、小規模特別養護老人ホーム等の耐震改修等の防災対 策を行うための経費を補助するものであるとの説明があった。
 委員から、耐震改修の希望が出ていない施設は安全なのかとの質疑 があった。
 執行部からは、地域密着型の施設は比較的新しく、耐震性の問題は 少ないが、グループホームには一部に古い建物があるので、今回耐震化を図って いくこととしている。耐震化の必要性は市町村が確認していると考えるが、今後県と しても状況を把握していきたいとの答弁があった。

津波避難タワー(黒潮町)
産業経済委員会
 付託を受けた議案は、全会一致をもって可決した。

■木質資源利用促進事業費について
 執行部から、木質バイオマスエネルギーの導入を加速化していくために、 地域の実情に即した効率的なシステムの具体的取組を構築する。また、 木質資源のカスケード利用の拡大に向けたシステムの検討を行う事業で あるとの説明があった。
 委員から、木質バイオマスボイラーは、木質ペレットに力点をおいて事 業を進めていく方向にあるのかとの質疑があった。
 執行部からは、農業用のボイラーは木質ペレットが主体となるが、温 泉などの加温用は、コストの面からチップを用いることを考えているとの答 弁があった。

■エネルギー対策費について
 執行部から、再生可能エネルギーの導入を促進するため、県内の企 業や市町村などが参画する地域再生可能エネルギー事業化検討協議会 を組織し、地域が参画した新エネルギーの事業計画や、事業主体など について検討し、あわせて、太陽光発電、風力発電、小水力発電、そ れぞれの種別ごとに検討会を設置して、具体的な事業スキームなどにつ いて検討していくものである。また、この協議会が太陽光発電の設備を 検討するに当たって必要な適地調査についても実施していくものである。 さらに、全量固定価格買取制度が導入されることから、現在実用化され ている太陽光発電、風力発電、小水力発電の三つを重点的に行うとい うことで提案している。まだ実用化されていない再生可能エネルギーで可 能性のあるものは、国への情報収集やネットワークをつくることなどを重 点的に進めていくとの説明があった。

■漁港単独改良費について
 執行部から、南海地震発生後に、緊急物資の輸送や、復興の拠点 となる漁港を選定するための調査を行うものであるとの説明があった。
 委員から、東日本大震災を踏まえて、どれぐらいを拠点漁港にしていく のか。また、選定するための調査において、どういった条件を満たせば 指定をしていくのかとの質疑があった。
 執行部からは、庁内でワーキンググループを立ち上げて、港湾との役 割分担、バランスを整理し、学識経験者の意見を伺いながら決めていき たいと考えている。条件としては、背後の人口集積度や水揚げ、流通 量などを考えているとの答弁があった。

甫喜ヶ峰風力発電風車(香美市)
企画建設委員会
 付託を受けた議案は、全会一致をもって可決した。

■離島航路運営費補助金について
 執行部から、須崎市及び宿毛市が運営する航路を維持するため、航 路運営に係る実績欠損額から国庫補助金などを差し引いた後の欠損額 に対する補助であるとの説明があった。
 委員から、公営航路である両航路について経営改善の視点から民間 委託を検討していないのかとの質疑があった。
 執行部からは、須崎市、宿毛市とも、毎年度、航路に関する協議会 を開催しており、協議会の場で今後とも経営改善について両市に投げか けていきたいとの答弁があった。

■DMV(※1)実証運行事業負担金について
 執行部から、阿佐東線でのDMVの運行実証実験の実施費用への一 部負担を行うものであるとの説明があった。
 委員から、このDMVの課題及びデメリットと、DMVを開発したJR北 海道での安全対策や設備投資はどのようになっているのかとの質疑があ った。
 執行部からは、課題及びデメリットは運転士が鉄道及び大型自動車二 種免許の両方が必要であること、CTC(※2)に対応していないことである。現在、 JR北海道は今年度末の営業運行に向けて取り組んでおり、その動向を 見ながらCTCなどの安全対策は対応したい。今回の実験は鉄道の通常 運行とは分けて実施するので、安全性は確保されるとの答弁があった。

■健康・省エネ住宅推進事業費補助金について
 執行部から、こうち健康・省エネ住宅推進協議会に対して、健康・ 省エネ住宅の設計指針の策定・啓発事業に補助するものであるとの説 明があった。
 委員から、健康・省エネ住宅の医学的検証はされているのか、最近 子供たちのアトピー等にも住宅の影響があると言われているが、この研 究はどこで行うのか。また、データの収集期間はどのくらいを考えている のかとの質疑があった。
 執行部からは、健康・省エネ住宅で医学的に証明したいのは、木の 香りで落ち着く、カビや虫がつきにくいなどの木の良さと、住宅内の温度 が健康に及ぼす影響をデータで示すことである。3年から5年程度かけて データの収集等をして、高知大学医学部や別の大学とも情報交流し、 医学的効果があることを証明していきたいとの答弁があった。

※1 DMV…Dual Mode Vehicle
 列車用の軌道と自動車用の道路の両方を走行可能な車両のこと
※2 CTC…Centralized Traffic
Control 列車集中制御装置 鉄道の信号や分岐装置を、遠隔地から集中制御するシステム

宿毛市営定期船「すくも」


 
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