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第2 調査結果の概要

2 行政対応の問題点や疑問点等について

(1) 県庁組織全体としての対応の問題
ア 県庁組織を挙げての対応となっていない
事件の内容、重大性等から考えて全庁的な対応が必要な問題であるが、
・事件の知事への報告が遅れ、また正確な情報の伝達がなされなかったため、重要な判断に知事が全く関与していない。
・県の三役である新旧出納長や元県幹部の直接の服務監督権者である 海洋局長に全く報告されていない。
など、およそ組織を挙げての対応がなされているとはいえない。

イ 横の連携(部局間連携)が欠けている
商工労働部、総務部、海洋局という関係部局間の情報伝達や意思疎通が極めて不十分である。海洋局長が本件を初めて知ったのは11年1月と言っており、全く信じられないのひと言に尽きる。

ウ 縦の連携が欠けている
課長-副部長(次長)-部局長-(出納長)-副知事-知事といった縦の情報伝達や意思疎通が不十分であったため、重要な時期に致命的な判断ミスを犯す原因となった。
例えば、
・知事や前副知事への情報伝達が遅れた上に報告内容が正確でなかっ たことが、退職願の撤回を認めることにつながり、早期解決を遅らせたこと。
・人事課長が退職願の処理結果を総務部長に報告した時期が、2カ月後であったことや、現副知事への事件の報告時期や内容などの食い違い等により適切な対応ができなかったこと。
などに見られる。

エ 事務の引継が正確にできていない
これだけの大事件にもかかわらず、新旧副知事の事務引継に関する答弁が食い違っている。すなわち、前副知事は「口頭で伝えた」と言い、現副知事は「文書でも、口頭でも引継はなかった」と言い、真っ向から食い違っている。
また、前海洋局長は、元県幹部が9年12月に退職願を出したことを本人から直接聞いたとされる。これに対し、現海洋局長が事件を初めて知ったのは11年1月だとしている。いずれも事実だとすれば、10年4月の海洋局長の交替時には全く事務引継がなされていないことになる。
事務引継は一体何のためにするのか疑問を持たざるを得ない。