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第2 調査結果の概要

2 行政対応の問題点や疑問点等について

当委員会は、この事件の真相解明等を図り、県民の期待に応えるため、延べ10回にわたり、知事以下執行部関係者や前副知事等の当時の責任者に参考人として出席を求め、精力的に質疑等を行い、事実解明に努めた。

その結果、当委員会は捜査権を持っていないという制約もあり、まだまだ解明の不十分な点もあるが、一定事実関係や問題点等を明らかにすることができたのではないかと考えている。

この事件は、高知商銀などの金融機関を監督指導する立場の商工政策課長が、その立場、地位を利用し、その監督下にある高知商銀から私事のため無担保で5億 2500万円の巨額融資を受け、返済不能となり、結果的には高知商銀が金融破綻に陥る原因をつくり、重大な刑事事件にまで発展したという、極めて異常な事 件である。

それにもまして、県の担当課である商工政策課がこの事件の概要を把握してからの県の組織としての人事管理、情報管理、業務の進行管理などの対応が全く異常であり、極めて問題があることが明らかとなった。

以下、これらについて具体的に指摘することとする。

  1. 県庁組織全体としての対応の問題
  2. 情報の共有と伝達方法等の問題
  3. 厳正な人事管理と職員の意識改革、資質向上の問題
  4. 平成9年10月の検査でこの事件を把握してから同年12月の退職願の撤回までの行政対応の問題
  5. 平成9年12月の退職願撤回後の行政対応の問題
  6. 議会や県民に対する情報公開や説明責任等の問題
  7. 知事の責任問題の処理について
  8. 調査・審議等を踏まえての疑問点